高山植物を上手に撮影するコツ その2
「風景+植物の構図では被写界深度を浅く」

手前の花にピントを合わせ、背景の山々を入れて撮影。絞り値(F値)はF16。山が遠くに位置するので被写界深度が深めのF16でもいい感じに背景をぼかして撮ることができる。

 植物だけでなく風景も楽しめるハイキングでは、風景と植物の両方を入れる写真も撮ってみよう。

 この時大事なのは、被写界深度。被写界深度とはピントの合う範囲の深さだ。簡単に説明すると、絞り値(F値)の数字が大きくなるにつれてピントの深さが深くなり、手前から奥の方までピントが合うようになる。逆に絞り値の数字が小さくなるにつれてピントの深さは浅くなり、ピントを合わせた部分しかピントが合わなくなる。

一面に花畑が広がる風景の場合は、絞り値をF5.6として被写界深度を浅くすると、背景にある花たちがふわっと優しい雰囲気に写る。

 風景+植物の構図では被写界深度を浅くするとよい。手前の植物が浮かび上がり、背景の山並みはふわりと壁紙のように写すことができる。また、白い花の場合は背景に濃い山肌や岩など暗めの背景で撮ると、より一層引き立つ。

左:コースのあちこちにかわいい木彫りの案内板がある。
右:「花を踏まないで!」のサイン。最初に「Thanks…」と書いてあるところがにくいね!

2016.04.25(月)
文・撮影=山口規子