さらに4カ月頑張ってみます
<洋服へ対する気持ちの変化>
● それぞれの洋服を大切にするようになった
それまでは、毛玉やシミができたら新しいのを買えばいいやって思っていたけど、きちんとお手入れをするようになりました。毛玉とりブラシを買ってセーターをブラッシングし、Tシャツなどのシミや黄ばみは、漂白剤で除去します。
● 小物類で着こなしをアレンジできるようになった
ストールをジャケット代わりにしたり、アクセサリーをアクセントにしてみたりと、新鮮な着こなしを楽しめるようになりました。
● 死蔵していた洋服を再活用するようになった
しばらくはいてなかったパンツも組み合わせ次第で似合うことを再発見しました。数が増えないと頭を使うようになります。
● ショップに行っても洋服に目が行かなくなった
買えないと思うと興味がわかなくなりました。そしてファッション関係の雑誌や記事を読まなくなったので、セールや流行という言葉に踊らされません。
<気がついたこと>
● たくさん数を持っていても着たいものは限られている
持っている服をじっくり見ているうちに「これ好きだな」っていうものが決まってきて、それを何度も着たくなってくるんです。数はいらないって気づきました。
● 周りの人は同じ洋服を着ていることをなんとも思わない
「前回も同じ洋服を着ていたかな」とか「SNSにこの洋服着て食事に行ったの、載せちゃったなあ」なんて心配して、人とお会いする時には常にそのシーズンに買ったものを着るようにしていたけど、人ってそんなに他人のこと覚えてないし、あまり気にしてないみたいですね。
● 家の外でも中でもお気に入りの洋服で過ごすのって心地よい
いつも好きだと思える洋服を着ているのって楽しいんだなって気づきました。だから、家の中でもお気に入りのセーターとジーンズで過ごしてます。着心地がいいと、仕事もはかどるし、すぐに出かける気にもなって、活動的になりました。
そして、まだ今のところ「洋服が欲しい」って気持ちにならないし、さらにどんな風に自分の気持ちが変わるのか知りたいので、引き続きチャレンジを続けることにしました。
今度は、4カ月頑張ってみます。終了は2016年6月末の予定。これから春に向けて、いろんなブランドの展示会のお誘いもある季節なので少し不安もありますが、結果はまたお知らせします。
松尾たいこ(まつお・たいこ)
アーティスト/イラストレーター。広島県呉市生まれ。1995年、11年間勤めた地元の自動車会社を辞め32歳で上京。セツ・モードセミナーに入学、1998年からイラストレーターに転身。これまで300冊近い本の表紙イラストを担当。著作に、江國香織との共著『ふりむく』、角田光代との共著『Presents』『なくしたものたちの国』など。2013年には初エッセイ『東京おとな日和』を出し、ファッションやインテリア、そのライフスタイル全般にファンが広がる。2014年からは福井にて「千年陶画」プロジェクトスタート。現在、東京・軽井沢・福井の三拠点生活中。夫はジャーナリストの佐々木俊尚。公式サイト http://taikomatsuo.jimdo.com/
Column
松尾たいこの三拠点ミニマルライフ
一カ月に三都市を移動、旅するように暮らすイラストレーターの松尾たいこさんがマルチハビテーション(多拠点生活)の楽しみをつづります。
2016.03.26(土)
文・撮影=松尾たいこ