「里山十帖」料理長・桑木野恵子さん(中央左)の“山菜の師匠”こと村山達三さん(中央右)を囲んで。 この日の山菜採りは、里山十帖から車で50分ほど移動。山菜スポットからは山肌に白い雪が残る山々など、はっとする風景が。 傾斜地に立つ、山菜師匠こと村山達三さん。 イタドリ。別名スッカンボは、折り曲げたときにポンッと折れるところから上を収穫します。 「昔は喉が渇いたらこの皮をむいて食べていたんだよ」と達三さん。皮をむいたスッカンボは瑞々しく酸味あり。調理するときは下茹でしてから煮付けにしたり、きんぴらなどにすると美味だそう。 山うどが自生している穴場に向かう桑木野さんと達三さん。 滑りやすい斜面を登りながら、自生する山うどを手際よく収穫。 山うどは新芽を見つけたら、斜面の土を深く掘って根元から採るのがコツ。 「今日のベストうど」を並べて記念撮影。白くて太いところが土に埋まっていた部分です。 効能は高麗人参以上とされ珍重される、ツルニンジンの新芽を見つけた達三さん。 立派なツルニンジンを収穫。滋養強壮に効果があるといわれる根の部分は、焼酎に漬けて薬膳酒にしたり、はちみつ漬けもおすすめだそう。 「うどは捨てるところがないんだて。穂先と皮はきんぴらにするとおいしいですよ」 木の芽(山椒の新芽)も収穫。採りたての山菜は、乾燥を防ぐため新聞紙で包みます。 新鮮な山うどは、生で食べると爽やかな香りとシャキシャキとした食感が楽しめます。 こちらの山うどは保存食用。その日のうちに山の水で洗って塩漬けにします。 主に保存用の山うどをリュックいっぱいに収穫していたのは、桑木野さんとともに厨房に立つ料理人の穴沢涼太さん。チームワークもまた「里山十帖」の魅力。 この日のディナーには、よもぎ、うるい、あさつき、かたくり、あけびの新芽といった山菜が登場。 窓の向こうには雪を残した山が。うっすら紅く染まるころに夕食がスタート。 お品書きとともに添えられたのは、山菜のしおり。やわらかいタッチの絵とともに28種の山菜をわかりやすく解説。 「よもぎ」には、100年以上の歴史をもつ八海醸造の「唎酒 No.088 山桜」をペアリング。 猪のジュレの旨みがさりげなく素材を引き立てる「春香る」。 その日に採れた多種多様な山菜を、肉と一緒にしゃぶしゃぶで楽しむ「山菜鍋」。 立派なたらの芽が目を引く「海と大地」。 松代エリアで収穫したうるい。うるいの名前の由来はそのまま「潤い」という意味で、水分が多いことからだそう。ほろ苦さはありますがクセがないので、お浸しや和え物など用途多彩。 うどの茎をひらひらにして、毛ガニと山野草を忍ばせたサラダ仕立ての「うど」。 「採れたてのうどの茎は、そのまま生で食べると風味がしっかり感じられますよ」と天然のうどを愛おしそうに見つめる桑木野さん。 毛ガニといただく「うど」には、ロゼ色が美しい「マグノリアのカクテル」をペアリング。 6品目の「鯛」は青木酒造の「雪男 純米酒 愛山」を燗酒で。キレのある後味が見事。 肉質がやわらかく赤身にコクがある胎内市のブランド豚・越乃黄金豚を使った「黄金豚」。深みのあるルビー色のワインとともに。 締めのデザート「里山・さっぱり甘味」。抹茶とアーモンドのクッキーを添えて。 右から、八海醸造の「唎酒 No.088 山桜」、葵酒造の「Maison Aoi Untitled 04」、フェルミエの「ロゼ ピノ・ノワール&ピノ・グリ」、青木酒造の「鶴齢 純米酒 超辛口 生原酒」、自家製「マグノリアのカクテル」、青木酒造の「雪男 純米酒 愛山」、ドメーヌ ショオの「Please don't be sad/悲しまないで」。 「去年保存した山うどは硬かったので、この時期の柔らかそうなものを今年は塩漬けしてみます」と保存用の山うどを探す桑木野さん。