月明かりに照らされた隣室で……

 次第に酒に酔ってタガが緩んでいた何人かが部屋に行ってみようと騒ぎだし、Kさんも案内人として連れ出されてしまいました。

「危ないからやめなよ!」

 不安そうな表情を浮かべる女子社員たちを部屋に残し、Kさんら数名のメンバーはスマホのライトを点けながら、隣の部屋に足を踏み入れたのです。

「すみませーん……」

 月明かりに照らされた室内は一見すると普通でしたが、よく見るとおかしなところがありました。ありとあらゆるものが壁際にピッタリと寄せられ、部屋の真ん中だけがガランと空いていたのです。

 ですが、Kさんが一番気になったのは、Aさんの部屋とこちらを隔てる壁にデカデカと貼られた大きなカレンダーでした。

「なに、これ……」

 そこには、月の大半を埋め尽くす「K」というマジックの文字でした。

「……これ、KnockのKか?」

 コン。

 壁の向こうから指で軽く壁を叩くような音がして、Kさんは思わず後ずさりをしてしまいました。

「お、おい、大丈夫か?」

 ガンッ!

「痛った…!」

 その拍子に足に何か硬いものがぶつかりました。

 それは蓋の開いたままのCDラジカセでした。

【××中学校校歌】

 白いCD-Rの盤面にマジックで書かれていたその文字を見て恐怖にかられた一同は、逃げ出すようにその場を後にしました。

 部屋に戻ると、残っていた女子社員たちが駆け寄り、こう言ってきたのです。

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