12月5日発売のCREA2026年冬号は、毎年人気の「贈りものバイブル」。ギフトやお取り寄せ企画に定評のある『CREA』が、本格的なギフトシーズンを前に、今年も最先端の贈りものをご提案します。
今年は、50人の“贈りもの賢者”に、会話が弾む、「語りたくなる」贈りものを教えていただきました。「ねえ知ってる?」と、つい誰かに話したくなる、約600点が勢揃いします。今回はそんな特集より、年末年始に嬉しい【間違いのない贈りもの】をご紹介。
料理研究家であり、レストランのオーナー兼シェフとコラムニストであり、美食評論家。食の最前線で活躍するおふたりの、年末年始に贈って幸せ、いただいて嬉しいもの、そして、一年の不義理をカバーするお詫び用まで。
一つひとつに物語がある選りすぐりの手みやげ談義を大公開。
年末年始、すぐに役立つお餅やそば、お惣菜から一年の不義理をお詫びする手みやげも。おふたりが太鼓判を押す極上の和の美味。差し上げる方への想いをのせて贈りましょう。
年末年始にもぴったりの和の手みやげが集合
――おいしいものへのアンテナを張り巡らしているおふたりですが、美味との出合いはどんなところで?
坂田 旅先で出合うことが多いですね。「と亀」のお餅は、松本に行けば訪れる鰻の名店「山勢」のご主人がオープンしたおかき専門店のもの。穀物らしい風味や食感の良さでやみつきになりました。
中村 どのように召し上がるの?
坂田 おすすめは揚げ餅です。お椀に梅干し、揚げた餅、大根おろしを山盛りに。出汁を張っていただきます。
中村 おいしそう!
坂田 切腹最中、有名ですね。
中村 自分は長年剣道をしており、切腹が身近でして。いや冗談です(笑)。結構失敗も多く、数年前に大事な仕事にダブルブッキングしてしまい、これを持参し「武士の端くれとして腹を切りたいところです」と謝罪。今でも冷や汗が出ます。
坂田 えー! そんな手が。私も使おうっと。
中村 いやいや。もう、そういうシーンは勘弁です。この店は忠臣蔵に縁のある土地に建っているので、12月14日の討ち入りの日に因み、「不義理していてすみません」と添え状と共に、年末にお贈りするのもいいかと思います。
坂田 そちらのパターンで使います(笑)。「さかぐち」のおかきは有名ですが、「塩せん」は知る人ぞ知る名品。米のつぶつぶ感が残っているので、薄いけれど満足感があります。
中村 冬瓜漬は沖縄のイベントで知りました。琉球王朝時代の味を今も守っている唯一のお店です。繊維質を残しているので、食感が印象的。
坂田 砂糖漬けかと思ったら、果汁がジュワッと広がりますね。
中村 沖縄でイギリス出身のジョンさんがつくっているスパイス入りチーズとのセットはお酒好きに喜ばれます。個性的なウイスキーや泡盛とどうぞ。ところで、この鮭は新潟・村上の「きっかわ」のものでは?
坂田 よくご存知! 故郷の新潟では冬になれば、鮭の焼漬を家でもつくります。こちらは添加物などを使わず古くからの手法を守っていて、帰省すれば買うお気に入りです。
中村 年末年始にあると安心ですね。どのように召し上がりますか。
坂田 白いご飯一択(笑)。
中村 やはり! 僕は日本酒とも合わせたいですね。
坂田 ぜひ。「かつおの天ぱく」の花かつお、私も使っています。
中村 そうなんですね! 三重県の太平洋を見下ろす岬にある燻小屋で、地域の里山のウバメガシの薪を使い、職人の技と勘を頼りに見事なかつお節を作っておられます。
坂田 「果生」は調味料メーカーのブランドで、自社農園で採れる冬の黄柚子、夏のすだちとそばのセットです。柚子をたっぷり削り入れ、私は揚げ餅をプラス。
◆餅屋 と亀「ご贈答用切り餅〈木箱入り〉」(坂田さん)
日本古来の餅文化を伝えたいと、地元農家の応援も込めて始めたおかきの専門店。信州古代米を使い、穀物の旨みと香りがしっかり感じられる小ぶりな切り餅がぎっしり。
「シンプルにオリーブオイルと塩でまずは召し上がってみて」と店主から。白餅、玄米餅、胡麻餅の3種。
餅屋 と亀
所在地 長野県松本市中央3-5-11
電話番号 0263-50-6070
営業時間 10:00~18:00
定休日 月曜
賞味・消費期限 7日
※通販可
CREA 2026年冬号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。










