華やかな振袖の着物が定番だったが……

② お会いする人への心遣い──表敬訪問ではラオスの民族衣装

 ラオスご到着の翌日、首都ビエンチャンの国家主席府で、愛子さまはトンルン国家主席を表敬訪問されました。日本とラオスの外交関係樹立70周年を記念する公式行事です。

 以前、佳子さまがブラジル、ギリシャ、ペルーを訪問された際、また結婚前の小室眞子さんがパラグアイやペルーを訪問された際も、大統領への表敬では日本の伝統衣装である着物をお召しになっていました。

 近年の例を見る限り、内親王の表敬訪問では華やかな振袖の着物をお召しになるのが定番となっていたのです。

 しかし、この日、愛子さまはラオスの民族衣装で訪問されました。

 巻きスカートの「シン」と肩掛け「パービアン」は小豆色で、美しさや楽しさを意味する花柄が織り込まれていました。「スア」と呼ばれるブラウスは、やわらかなクリーム色。

 後に、これらの衣装は国家主席夫人から贈られたものであることが分かりました。贈り物への感謝を示し、喜んでいただきたい――。愛子さまの優しいお心遣いが表れた選択だったのでしょう。

 実際、表敬訪問の際、トンルン国家主席の表情は印象的でした。愛子さまを前に、思わず顔がほころぶような、終始嬉しそうなご様子でした。80歳の国家主席にとって、愛子さまは“可愛い孫のような存在”に映ったのかもしれません。

 ルアンパバーンご訪問時にも、パーニー国家副主席から贈られた、別の民族衣装をお召しになりました。紫色のシンとパービアンには、悪いものから守るとされる蛇神ナーガの模様。ピンク色のスアが柔らかさを添えています。

 敬虔な仏教国ラオスでは、寺院を訪れる際に民族衣装を纏う習慣があります。シェントーン寺院へのご参拝に合わせ、ラオスの文化に敬意を払われた自然な選択だったのでしょう。

次のページ 「愛子さまらしさ」が発揮された装い