新年度を迎えたこの春、天皇皇后両陛下の長女・愛子さまは「国際会議の開会式」への出席や「大阪・関西万博」視察、そして「能登半島地震の被災地」へのご訪問など、精力的に公務に取り組まれる様子が、以前にも増して報じられるようになりました。

 振り返れば、愛子さまは誕生の時から常に国民から高い関心を集め、そのご成長の過程は長年にわたり、注目の的となってこられました。

 成年の記者会見では、ご成長の集大成とも言えるような、爽やかで誠実なお言葉の一つひとつが印象的で、多くの国民が感動し、胸を打たれたことでしょう。

 現在は日本赤十字社に勤務しながら、成年皇族として公務にも積極的に臨まれている愛子さま。その装いには、ご成長の足跡がさりげなく表れています。

 愛子さまが皇族としての務めを果たされる中で、どのようにご自身を表現し、成長されてきたのかを、ファッションを通じてひもといてみたいと思います。


【愛子さまの一般参賀デビュー】フォーマルな装いは、国民への敬意の表れ

 2023年1月2日の「新年一般参賀」で、愛子さまは淡い水色の立ち襟のローブモンタントをお召しになり、雅子さまの隣に並ばれました。その上品なデザインは、雅子さまがお召しになるものと似ており、おそらく母娘で相談されながら選ばれたのではないかと推察されます。

 袖のくるみボタンの数が揃っていたり、手の振り方や扇子を持つ角度まで瓜二つだったりと、母娘の仲の良さと、丁寧に準備された様子が伝わってきました。

 皇室の方々は、“見られる立場”であることを常に意識されています。このとき、愛子さまも公の場における装いとは、“美しさと格式をもって国民に敬意を示すもの”という、皇族としての基本姿勢を心に刻まれたのではないでしょうか。

2025.06.04(水)
文=つげのり子