【愛子さまの挑戦】個性と敬意の両立を目指して

2024年10月、愛子さまは初めての単独地方公務で佐賀県を訪問されました。
初日は、丸襟のピンクベージュのスーツをお召しになり、襟や袖口、ジャケットの前身頃に白い縁取りが施され、愛子さまの柔らかさと可憐さを引き立てていました。
ところが翌日は一転して、ネイビーのセットアップにボーダー柄のトップスという、よりシャープな印象の装いに。ボーダー柄は女性皇族の公務スタイルとしては珍しいアイテムですが、パールのネックレスとブローチを合わせることで、上品さと皇族としての品位がしっかりと保たれていました。

この二日間のコントラストは、愛子さまがご自身の個性を活かしながらも、訪問先への敬意を忘れずに服装を選ばれていることを示しています。少女の可憐さを残しつつも、成年皇族として新たな表現に挑戦するその姿勢には、大きな成長が感じられました。
【深緑とチェックに込めた思い】初めての鴨場接待コーディネート

2025年2月、愛子さまは初めての「鴨場接待」に臨まれました。外国賓客をもてなすこの伝統行事は、格式の高さとともに、皇族としての立ち居振る舞いや品位が問われる公務のひとつです。そんな場で、愛子さまは深いグリーンのジャケットに、落ち着いたトーンのチェック柄スカートという装いで登場されました。

濃いグリーンは自然との調和を感じさせる色味であり、冬から春へと季節が移ろう中でも、清冽な印象を与えます。また、チェック柄のスカートはトラディショナルな趣がありながら、若々しさも兼ね備えたデザイン。こうしたコーディネートは、皇族としての品位を保ちつつも、初々しさとご自身らしい感性を大切にされている愛子さまならではの選択と言えるでしょう。
愛子さまが、次代を担う皇族として、一歩ずつご公務の場を経験されながら、ファッションを通じてもそのあり方を模索しておられることが伝わってきました。
2025.06.04(水)
文=つげのり子