奥深い甘さに儚い口どけをお茶とともにいただく
創業1935年、南青山の骨董通り沿いにある「菓匠 菊家」。作家・向田邦子さんが愛した和菓子屋としても知られている。
学生の頃から向田邦子さんの本を愛読していたこともあり、エッセイの中に登場する「水羊羹」を初めて口にしたときの嬉しさは今でも覚えている。
看板商品の「利休ふやき」は、名前にもあるように茶人・千利休がルーツのお菓子。
千利休が残した茶会記には“ふの焼き”というお菓子がよく登場するが、どのようにつくられたものかまでは詳細が無い。そのため、菊家では独自に干菓子として開発した。
黒砂糖を使った蜜で麩を包んだ、素朴でありながら奥深い甘さに、さくっしゅわっとほどけるような儚い口どけ。
そのままでもいいが、お茶といっしょに食べるとより魅力が引き立つ、これぞお茶菓子という味わいだ。一子相伝の味を今日も守り続けている。
菓匠 菊家
利休ふやき(8枚入り)/1,600円
日持ち 製造日より14日間
住所 東京都港区南青山5-13-2菊家BLDG 9F
電話 03-3400-3856
営業時間 9:30~17:00(売り切り次第終了)
定休日 日曜・月曜・祝日
https://www.ycraft.co.jp/kikuya/
