「『50歳』を意識したからということと無関係ではない」住吉さんが4匹の愛猫を飼い始めた“きっかけ”
言葉はなくとも、どこか通じ合い、人間とネコという種を超えた絆を感じながら暮らしている。それに、私は幼い頃から何匹かのネコと生活してきたが、この4匹は、これまでと違うのだ。
それは飼い始める時に「50歳」を意識したからということと無関係ではない。
「ネコに触りたい」と軽い気持ちでネット検索し、たまたま見つけたネコカフェを訪れた17年前。そこで、長女ネコさとみと出会った。まだ生後3ヵ月、手のひらに乗るほど小さかったさとみは、私がソファに座るとすぐ膝に乗ってきて、そのまま丸くなって寝てしまった。
触ったら壊れそうなほど小さく華奢で、動かすことも憚られ、私は結局そのまま2時間ほど昼寝の台と化した。その間眺めた、安心してスヤスヤと眠る表情、体に不似合いなほど大きな耳と目、雪のような白毛の美しさやハチワレ模様の愛らしさ、すべてに心撃ち抜かれた。私の膝を選んでくれたこの子をうちで育てたい、と思った。
しかし、ネコを病気で亡くした経験もあった私は、命を請け負うことの重さを感じていた。飼えない、と最初は思った。
それでも忘れられなかった。1週間ほど経っても、さとみを思うと会いたくて涙がこぼれた。私はやっぱりネコが好きだった。
もしも人生でもう一度、ネコを赤ちゃんの時から飼い、添い遂げる経験をしたいのであれば、そろそろ迎えないと手遅れになる。ネコの寿命は15年とか長くて20年とすると、自分がまだ元気であろう50代で看取るくらいの計算で飼い始めたほうがいいのではないか。
親に頼って飼った実家のネコたちとは違い、最初から最後まで、自分が全責任を負う、いわば“人生のメインキャット”。さとみが15歳になる歳に、私は50歳。さとみを迎える覚悟を決めた。
リスナーの子育てメッセージに共感…ネコたちが与えてくれる命を守り育てる経験
その後、結局4匹に増えた“メインキャット”たちは、同じネコでもそれぞれ個性があって、育てていて実に面白い。
ネコの知能は人間の2歳児くらいという説を聞いたことがあるが、一緒に暮らしていると、2歳どころか3~4歳かもと思えるほど、意思があり、コミュニケーション能力もあり、勘も頭も良い。ササミのおやつが入っている特定の引き出しを開ける音を聴き分け、飛んでくる。
おもちゃの好き嫌いが子によって違う。要求があると人間の目を見て、語るように鳴いて訴えかけるし、後ろから人の肩をポンポンと叩いて振り向かせることもある。目が合った時に「にゃっ」と短く挨拶をする様も人間っぽい。
              