つい夜更かしして観てしまう韓国ドラマ。スタイリッシュなオフィスで働く主人公が、仲間とともに奮闘し、恋に仕事に全力を尽くす姿は、何度見ても胸がときめく王道ストーリーです。そしていまTikTokやInstagramといったSNSでは、そんな韓国ドラマの華やかさをそのまま反映した、大手韓国企業で働く日本人女子の動画が注目を集めています。
そこで、実際に韓国に本社があるアモーレパシフィック社で働く女性にインタビュー。韓国の大手化粧品メーカー・アモーレパシフィックで、人気スキンケアブランド〈primera(プリメラ)〉のマーケティングを担当する八重樫瑞(やえがし・みずき)さんにお話を伺いました。後篇ではリアルなデイリーライフにフィーチャー。オフィスはどんな感じ? 先輩や上司とのコミュニケーションや福利厚生は? なかなか聞けない韓国企業のオフィス事情を紐解きつつ、韓国で就職したい人に向けて超有益なアドバイスも!
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ティータイムがコミュニケーションの肝
――韓国ドラマの中ではオフィスも華やかで登場人物がとてもオシャレで……というイメージがありますが、実際のオフィスはどんな感じですか?
アモーレパシフィックの会社の人はオシャレな方が多いですし、裕福なご家庭出身の方が多いのかな……? とも感じますね。
――では、韓国ドラマのように、高いヒールを履いてジャケットを着て……という方が多いですか?
いえ、もう少しラフな感じです! アモーレパシフィックは若い社員が多いので、私もそうですがショートパンツとサンダルで出社する社員も。服装に規定もありませんし、自由度は高めだと思います。金髪の人も普通にいますし(笑)。
――それはアモーレパシフィックだからでしょうか? ほかの企業でも自由度は高かったりしますか?
多分、日本に比べると自由度はかなり高いと思います。私自身、日本の会社にいたときは営業だったので、もちろん取引先に行くときはスーツでした。日本では、オフィスに出勤するときもオフィスカジュアルの方が多いと思います。一方、韓国に関しては、どこの会社でも普段はオフィスカジュアルでもない、遊びに行くような服装でも全然OK! 平日の通勤や退勤時に電車に乗っていても、周りの人たちを会社員だとはあまり思わないかもです。
――学生さんのような服装の方が多い?
そうですね。今日も私、ジーンズ履いてますし(笑)。
そもそも「フォーマルな服装」に対する認識も日本とはかなり違う気がしています。日本だと結婚式に参列するときはヘアメイクしてもらってドレッシーな服を着ていきますよね。韓国だとそういうのがなくて、普通にジーンズ履いてくる人もいます。
――なるほど! 面白いですね。ほかにも日本の企業とは異なる文化はありますか?
『ティータイム』という文化があるんです。この会社だけなのか、韓国で一般的なのかはよく分からないのですが、韓国はすごくすごくコーヒーをたくさん飲むし、カフェもたくさんあるのでお昼を済ませたあとは絶対にカフェに行ってコーヒーを買うんです。そこで、カジュアルトークみたいなのをします。
その話の内容は全然仕事と関係ない雑談のような場合もあれば、ちょっとした仕事の相談とか……。そんな話をティータイムで行うんです。
――それは毎日やるんですか? 一日何回くらいやるとか、決まっていますか?
決まった時間が設けられているわけじゃないんですが、毎日最低1回は行っていますね。長時間仕事に集中して疲れたときや、チャットをしていたけど、直接話したほうが早いなっていうときに「ティータイム、行く?」みたいな感じで。
チームによっては朝出社したら1回ティータイムをやりましょう、という部署もあります。みんな出勤時間がバラバラなんで、全員が集まらないこともありますが。午後疲れたときに先輩が「ティータイムに行く」と言ったら、一緒に付いていくことも多いです。
――会社の中にはいくつかカフェがあるのでしょうか?
はい、ありますね。社員用のちょっと安いカフェや、テナントとして入っているカフェも複数ありますし、パンなどが買える場所もあります。あと、イニスフリーのカフェもあります。緑茶の栽培からスタートしたスキンケアブランドのカフェですね。ミックスジュースやお茶系などを売っているカフェが別に2つあって……。一体いくつあるんだろう?(笑)
でも、社員用のほうが全然安いです。1杯1000ウォンくらいなので、日本円だと100円くらいで飲めちゃいます。ミックスジュースは3000ウォン。安いですよね。
