日本と韓国の大きな違いは“報告文化”
――primeraの日本ローンチに向けて、大変だった思い出はありますか?
ローンチは本当に大変でした。アモーレパシフィックジャパンという日本法人もあるのですが、当時はprimera担当がいなかったので、全て私と入社10年目くらいの先輩の2名で準備するしかなくて。ローンチまでの期間は私とその先輩とで2週間ずつ日本出張に行ったり来たりを繰り返しました。
そもそも私は1年目でしたし、以前働いていた業界も化粧品業界ではなかったので、ローンチするまでに何が必要かというのがまったく分からず……。一緒に準備した先輩も日本でのローンチは初めてだったので、全部が手探りでした(苦笑)。今思えば、1年目がやる仕事ではないだろうという感じなのですが(笑)、日々いろんな“無力さ”みたいなことを感じて。体力的にもオーバーワークでしたが、精神的にもツラかったですね。ローンチできなかったらどうしよう、みたいな。
ですが、2024年1月にロフトで先行発売することが出来ました。今ではQoo10やAmazon、楽天といったECサイトに加え、ロフトやマツモトキヨシなど全国1000店舗以上で展開しています。
――1年目でブランドのローンチを担当し、そこから2年が経ち、今のお仕事はどんな感じですか?
今は日本向けのヴィジュアルマーチャンダイジングや什器などの監修を行っています。あとはコンテンツ系のマーケティングも行っており、オウンドメディアやSNSの広告、メタ広告などの運営に携わっています。ローンチの大変さを乗り越えて、今はブランドが自分の子どものような感覚です。
――日本の企業で働いていたときと、一番違うなと感じることはなんでしょうか?
一番驚いたのは“報告文化”です。
日本でいう“報連相”は「今日は外勤です」「クライアントからこんな話がありました」くらいの軽い連絡のことも多いと思いますが、韓国ではすべての施策を資料にまとめ、本当に細かく上司の判断を仰ぐ必要があります。
たとえば「11月のプロモーションはこの方向で進めたい。割引率はここまでに設定したい」と、細部まで報告して、必ず上司の承認を得てから動くんです。最初はこの報告文化がわからなくて、戸惑いました。
報告するための資料作成が、仕事全体の2割ぐらいを占めている感覚ですね(笑)。
» 後篇に続く

八重樫瑞 Mizuki Yaegashi
アモーレパシフィック アクティブビューティーグローバルGTM TFでプリメラのマーケティング・営業戦略を担当。立教大学社会学部卒業後、2020年に韓国政府奨学生(GKS)として韓国外国語大学にて翻訳学修士課程卒業。2023年1月にアモーレパシフィックへ正社員として入社。
