1メートル程度の距離でも気づかれない精巧さ
乳がん手術後の女性の身体的・精神的・経済的負担をより少なく、日常生活をそのまま続けていけるように。そんな思いでオーダーメイドの「人工乳房リアリーフ®︎」を手がける株式会社テラスハートジャパン 代表取締役の堀江貴嘉さんによれば、人工乳房は幅広い生活シーンで活用できるのが最大の魅力だという。
それにしても驚くのは、その完成度の高さ。肌の質感や色味、血管の見え方、ほくろ、乳頭の形状などが細部まで丁寧に再現されており、人工乳房に触れずとも、弾力やボリューム感までもがリアルに伝わってくる。

「私どもの人工乳房は、1メートル程度の距離から見ても気づかれないほど精巧です。日常使いはもちろん、ジョギングしたりスポーツで汗をかいたりしても問題ありませんし、専用テープとの併用でプールや温泉など水中でも着用いただけます」(堀江さん)

好きな服を着たい、服を着たときのシルエットを大切にしたいとの思いから、ブラジャーをつけたときに最適な形状での人工乳房を希望する人もいる。
一方で、ヨガや温泉など、プライベートな時間を自分らしく過ごすことを大切に考え、ナチュラルな形状での人工乳房をオーダーする人もいるという。
「人工乳房を着用して、『自尊心を取り戻せた』とおっしゃる方は多いです。また、シリコン製ではあるものの『胸の温かみを感じる』とおっしゃる方も。術後数年が経過している方や70代や80代とご高齢の方でも、『やっぱり乳房があるのとないのとでは違う』という感想を持たれるようです」(堀江さん)


満足度の高さは、完全オーダーメイドでその人らしさを取り戻せるからなのかもしれない。
2025.10.18(土)
文=今富夕起
写真=深野未季