醸造所のビールペアリング・デイナー!
ヘット・アンケルを代表する人気ビール、グーデン・カロルス・クラシック(左)と、グーデン・カロルス・トリプル(右)。
夕食は、ブリュッセルとアントワープのちょうど中間にあるメッヘレンへ。ここは、16世紀初頭に、ヨーロッパの政治、経済、文化の中心として栄えた街だ。この街にある「ヘット・アンケル」というビール醸造所がもつ直営のレストランで、ビールペアリングの夕食をいただくことに。
左:5代目当主のシャルル・レクレさん。麦汁を使ったウイスキーを造ったり、古い社屋を修復して誰でも訪れることができる博物館にしたり、次々と新しいアイデアに取り組んでいる。右:レストラン入り口にあるショップ。ヘット・アンケルのビールが、限定品も含め、ずらりと並んでいる。
「ヘット・アンケル」は、ベルギーでもっとも古い醸造場所のひとつで、創業は1471年。いくつかの変遷を経て、現在の経営者は、1872年にこの地にあった醸造所を買い取った家族の5代目にあたるシャルル・レクレさん。代表ブランドの「グーデン・カロルス」は、世界各地で愛飲されている人気のビールだ。
レストランの1階。まだ外は明るいけれど、ビール片手におしゃべりしている皆さんが何組も。
レンガ造りの古い社屋の横にあるレストランは、入り口にショップ、その奥と2階にレストランがあり、ホテルも併設されている。レストランに着いたときにはまだ外は明るかったが、もうビール片手に楽しそうにおしゃべりしている人たちが。さすがベルギー!
サーモンのタルタルに合わせるビールは、グーデン・カロルス・ホップシンヨール。サーモンの脂肪分に負けないよう、ホップの苦みが効いたゴールドビールだ。
さんざん迷って私が選んだのは、トマトサルサとアボカドの上に載ったサーモンのタルタル、ホワイトエールにフルーツの甘みを加えたビール「ボスクリ」とサワーチェリーを使って煮込んだ鴨のもも肉、そして、デザートはチョコレートとラズベリームースのグーデン・カロルス・シングルモルトウイスキーがけ。
左:メインの鴨には、グーデン・カロルス・キュベ・ヴァン・ド・ケイゼル・ブルー。アルコール度数が11%もある濃厚なダーク・スペシャル・ビールだ。ローストしたモルト、キャラメル、プラムなどのフルーティなアロマが特徴。鴨のサワーチェリーソースともよく合う。右:デザートにはビールのペアリングはなかったけれど、ムースにかけられた、グーデン・カロルス・シングルモルトウイスキーの香りが味に奥行きを加えている。麦汁を使って造られた特別なウイスキーだ。
メインの鴨は、料理というよりもビールで選んだ。ペアリングされていたのが、グーデン・カロルス・キュベ・ヴァン・ド・ケイゼル・ブルー(名前が長い、笑)だったから。
だって、「キュベ」というのはワインにも使われる用語で、特別に造られた上質なビールを意味するのに、その上、「皇帝」を意味する「ケイゼル」まで付いているのだもの。最上級のホップとモルトを使っているビールなのだという。
料理も美味しいし、ビールもベストマッチで、どのテーブルでも話が弾んでいる。ベルギーの皆さんが何度も、「ビールは単なる飲み物じゃなくて、コミュニケーションを潤滑にして、地域をよりよくするために欠かせないもの」とおっしゃるように、この日も、笑いが絶えない楽しい夕食となったのだった。
あっという間に楽しい時間が過ぎてあたりはすっかり夜。ヘット・アンケルは、歴史ある醸造所らしいレンガ造りの建物だ。
Het Anker(ヘット・アンケル)
所在地 Guido Gezellelaan 49, B-2800 Mechelen, Belgium
電話番号 015-287-141
URL http://www.hetanker.be/
【取材協力】
ベルギー・フランダース政府観光局
URL http://www.hollandflanders.jp/
Belgian Family Brewers(ベルギー・ファミリー・ブリュワース)
URL http://belgianfamilybrewers.be/
KLMオランダ航空
URL http://klm.co.jp/

ベルギービールを堪能する旅へ
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- 文・撮影=たかせ藍沙
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