マイケル・ジャクソン、ワム!をはじめとして、ポップミュージックの素晴らしさを布教する伝道師としても活躍するミュージシャンの西寺郷太さんが、新刊『プリンス論』を上梓しました。これを機に、80年代のシーンを席巻し、その後の音楽界に大きな影響を与えた5人のアーティストの魅力と功績を、プリンスとの関係性を軸に語ってもらいました。
vol.4 ホイットニー・ヒューストン (1963~2012)
ボビー・ブラウンとの結婚がケチの付き始め?
前回ジャネット・ジャクソンの話をしましたが、彼女の最後のビッグ・ニュースはやはり「おっぱいポロリ事件」ではないでしょうか。
2004年のスーパーボウルでジャスティン・ティンバーレイクと共演した際、その出来事が起こり、それまでの勢いが落ちてしまいました。
でも、先日のジャネットのさいたまスーパーアリーナでのライブは、最高でした。終演後ジャネットに楽屋に呼んでいただき、初めてお会いできて嬉しかったですね。
さて、安室奈美恵さんやSPEEDの源流がジャネットならば、MISIAさんやAIさんのような本格派シンガーの源流といえるのがホイットニー・ヒューストンです。歌のうまさは言わずもがな。ケビン・コスナーと共演した映画『ボディガード』(1992年)でもおなじみですね。
ホイットニーはいわゆる「だめんず」好きというのが人生の鍵になったかもしれません。そもそもデビュー前にマイケルやジャネットのお兄さん、ジャーメインと一時期不倫していた、というところから難ありな気がしますよね。
そして最終的に結婚したのがニュー・エディションというアイドル・グループ出身のボビー・ブラウンです。この夫婦についてはドメスティック・バイオレンスやドラッグで何度もトラブルを繰り返してマスコミを賑わせたため、記憶に残っている人も多いんじゃないでしょうか。ダメな夫と結婚したせいでホイットニーはつぶれてしまったなど、さんざん叩かれた結果ボビーの人生も散々なものになってしまいました。
2015.12.30(水)
文=秦野邦彦
撮影=榎本麻美