手をかけること。素材を生かすこと。それが、「オカズデザイン」の生み出す料理の基本だ。ただし、頑張りすぎるのは禁物。
どこに手をかけ、どこで息抜きをするのか。そのバランスが大事。週末ブランチをおいしく楽しむコツを伺った。
第1回は「自家製のカッテージチーズ」と「フライドポテト」のレシピをご紹介。
» 第2回 いんげんとマッシュルームのサンドイッチ
» 第3回 手作りチーズオムレツ
» 第4回 プラムとフレッシュチーズのマリネ
» 第5回 大福豆と豚肉の煮込み
» 第6回 ババガヌーシュ-焼き茄子のパテ
手づくりチーズをアレンジしておいしい週末ブランチを
昨年、つくりたてのチーズをいただく機会があり、そのおいしさに驚きました。チーズには熟成させた味わいとは別に、もうひとつ「鮮度を楽しむ」食べ方があると知りました。自宅でも味わってみたくて、つくってみると驚くほど簡単。以来、時間に余裕ができると、つくり置くようになりました。
自宅でゆっくり過ごす週末にこそ、こんなふうに少し手をかけて、いつもは買っている食材を手づくりしてみるのもいいもの。そんな時間は、慌ただしい日常をリセットし、週末モードへと切り替えるスイッチとなるはずです。いちばんシンプルなカッテージチーズなら30分ほどで完成します。
このチーズのいいところは、野菜を和えたり、ディップにしたりと、さまざまな料理にアレンジできること。トーストにのせてみる、果物を和えてみる……と、今ある食材に“ちょい足し”することで、たちまち週末ならではのスペシャル感が生まれます。つくる過程でできた液体=乳清は、野菜を煮てポタージュにするなど利用できます。チーズ一品にだけ手をかけて、あとはなんにもしない。お腹がすいたら、冷蔵庫をのぞいて、アレンジを考えてみる。これが、私たちのお気に入りの週末の過ごし方です。
2015.09.21(月)
text=Noriko Ichida
photographs=Shinsaku Kato
styling=Mariko Nakazato