Magnificent View #696
メナイ橋(イギリス)
(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages
ウェールズ北西部のバンゴールとアングルシー島との間にあるメナイ海峡は、渦潮が発生するほど潮流が早く、かつては難所と言われた。ここに1826年に架けられたのが、メナイ橋だ。この橋が完成するまで、島と本土の間の交通はメナイ海峡を越える危険な渡し船しかなく、島民にとっては悲願の橋でもあった。
アングリシー島の主な収入源は肉牛の生産で、本土の市場まで移動するために、かつては牛を水に追い込み、泳いで海峡を渡らせていた。これは危険な習慣で、しばしば貴重な家畜が失われたという。
長さは174メートル、完成当時は世界最長を誇ったこの吊り橋。誕生から190年近く経った現在も、ケーブルや橋桁を修復しつつ、姿はほぼ昔のままをとどめている。
2005年に鋳造された1ポンドコインの裏側にデザインされたり、世界遺産の候補になるなど、なにかと話題が多いこの橋。海峡の島々や入り江の街並みと調和する美しい景観が、島民のみならず多くの人に愛されている。
Column
今日の絶景
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2015.08.27(木)
文＝芹澤和美
