夏を惜しみながら静かに楽しみたい懐かしの線香花火。この夏の終わりには、儚い炎を眺めながら、大切な思い出を振り返ってみませんか?
日本初の花火セレクトショップ「fireworks」主宰の山田遊さんにお話を伺い、昔ながらのものから、進化した今どきの線香花火までをご紹介します。
» 第2回 伝統美を受け継ぐ古風な線香花火
» 第3回 福岡発のこだわり抜いた美しい線香花火
» 第4回 モダンなデザインの可愛い線香花火
懐かしさを感じさせる夏の風物詩
四季に慣れ親しんだ日本人は、季節の風物詩にノスタルジーを感じます。日本の伝統的な線香花火も、どこか懐かしさを感じさせる夏の風物詩。もともと公家が、香炉の灰に立てて鑑賞していたものなのだとか。大人のための、風流な遊びだったんですね。
一時は中国産に押され、国内での生産がゼロになったものの、最近は徐々に復活し、国内で個性的な線香花火が作られています。デザイン性に優れていて、思わずジャケ買いしたくなるものも多い。自分用には少し贅沢かな、と思うような高額なものも、季節感のあるセンスのいいギフトにすると喜ばれます。
国産のいいところは、花火職人が一本ずつ丁寧に手作りしていて、火花がキレイで持ちがいいこと。さらに、僕が思う線香花火の最大の魅力は、場所を選ばず、比較的どこでも遊べることです。都会では最近、花火ができる場所を見つけるのも大変なので、これはうれしいこと。ぜひ大人の風流を楽しんでみてください。
2015.07.24(金)
text=Chisato Suzude(BEAM)
photographs=Masahiro Sanbe
special thanks=AWABEES