甘みのなかに、ほのかな苦みを感じるのが、高級ドリアンの証拠
ドリアンはクサイ。でも不思議なことに、食べている間は、匂いはまったく気になりません。食感は熟れたイチジクのようにとろんとやわらかく、カスタードのようにクリーミー。味は甘いのですが、砂糖の甘さではなく、飴色になるまで炒めた玉ねぎの甘さに近い。甘みのなかにビターチョコのような苦みを感じる味が絶品だといわれています。
マレーシアで人気のドリアンは「猫山王/ムーサンキング」です。濃厚な甘みと、ねっとりとした食感が特徴。ほかのドリアンに比べると2~3倍の値段ですが、果肉のなかに入っている種が薄いので、食べ応えもじゅうぶん!
ドリアンシーズンになると、ドリアン屋台が次々に道端に現れ、スーパーにもいっせいに並びます。
ドリアンに初挑戦するなら、スーパーの小分けパックをおすすめします。できるだけ、果肉がムッチリとハリのあるものを選ぶこと。冷蔵庫で冷やすと、かなり食べやすくなりますが、冷蔵庫内の食材がすべてドリアン風味になることは覚悟の上ね。また、ホテルへのドリアンの持ち込みは禁止されているので、その点もお忘れなく。
4人ぐらい集まったら、ドリアン屋台で丸ごと1個買いに挑戦してみましょう。1個にだいたい5~7房の実が入っているので、ひとり1房も食べればペロッといけちゃいます。屋台の店主においしいドリアンを選んでもらいましょう。
※このコラムのラストに、現地のドリアン屋台の様子を動画で紹介しています! こちらもお見逃しなく。
さて、ドリアンについての豆知識。ドリアンは体の熱を上げる果物なので、体をクールダウンする「マンゴスチン」と一緒に食べます。また、大量に食べると、胃のなかでぐんぐん膨らんでいくような感覚を覚えます。これはドリアンの揮発成分によるもので、慣れるまではちょっと気持ち悪い。よく言われているように、大量のビールを飲んでドリアンを食べるのは、病院に運ばれた人の話も聞くので、やめたほうがいいでしょう。
それでは、驚きのドリアンスイーツがとうとう登場です!
2015.05.28(木)
文=古川音
撮影=古川音、三浦奈穂子