世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第72回は、たかせ藍沙さんがトルコの大地で次々と巡り会った絶景のフルコースについてレポートします!

イスタンブールの絶景ホテルからカッパドキアの絶景ホテルへ!

イスタンブールのセブンヒルズ・ホテルの屋上で朝食。このテーブルに座りたくて毎回このホテルにしてしまう。時間帯によっては屋上が貸切なんてことも。滞在ゲストの特権だ。

 成田からイスタンブールへの直行便は1日2便。目的地は奇岩群で知られるカッパドキアだけれど、当日乗り継ぎができない夕方の便で到着。なぜなら、イスタンブールの定宿に1泊したかったから。このところ、年に1~2回利用しているセブンヒルズ・ホテルは、イスタンブールの旧市街スルタンアフメットのほぼ中心にある絶景ホテルだ。

 「煙突の煙と○○は高いところが好き」とは私のことかもと思うくらい(笑)、このホテルの屋上から眺める景色が好きなのだ。ビザンチン建築の最高傑作アヤソフィア、対岸のアジア大陸が見えるボスポラス海峡、そして世界一美しいと言われるブルーモスクの全てが目の前に。で、私のお気に入りはブルーモスクビューのテーブル。大好きな絶景を眺めながら早めの朝食をとり、空港へと急いだ。

Seven Hills Hotel(セブンヒルズ・ホテル)
所在地 Sultanahmet, Cankurtaran Mahallesi, Tevkifhane Sokak 8, 34400 Istanbul
電話番号 +90-212-516-9497
URL http://www.sevenhillshotel.com/

アルゴス・イン・カッパドキアからの絶景。手前に見えるのはブドウ畑。ここにはハウスメイドのワインがある。

 ユネスコの世界遺産にも登録されているカッパドキアへは、イスタンブールから空路1時間20分の移動。起点となる空港は2カ所あるが、今回は、ネヴシェヒルという舌を噛んじゃいそうな名前のほうへ。奇岩群の中心にあるギョレメの町にも近い。滞在先のアルゴス・イン・カッパドキアにチェックインして、窓の外を眺めて息をのんだ。そこにはとびきりの絶景が!

ウチヒサルはギョレメの町から徒歩で上ることができる。

 ホテル内のリサーチは後回しにして、早速ホテル裏手の丘の上へ。はい、「煙突の煙と……」なので(笑)。ここは、ウチヒサルという、カッパドキアでもっとも標高が高い場所。人の流れに従って岩山の中の通路を通ったりして上っていく途中、小学生くらいの子供たちの団体にも遭遇した。そして上り切ると、そこにはパノラマビューが広がっていた。トルコ各地から観光に来ている若者のグループや、老夫婦。誰もが絶景を目の前に、顔がほころんでいる。「やっぱり景色がいいと和むなー」と納得!

「パジャパー(しめじ岩)」と名付けられたキノコのような奇岩群。岩の雨下に上るとこんな景色に。
手前に立ってみた。人間がこんなにちいさく見えるほどの巨大キノコだ。

 ホテルに戻り、今度はガイドのアリさんと合流して奇岩群へ。いくつかの場所に点在している奇岩を、下から見上げたり、上に上ってみたりして堪能。ギョレメ野外博物館の食堂跡では、「最後に食べ終わった人が、全員のお皿を洗うことになっていたんだよ」との説明に、「それじゃ、私、毎回皿洗いだわ(笑)」と大笑い。もう、初日でおなかいっぱいになりそうな勢いだ。

こちらは「ラクダ岩」。ラクダが座っている姿にそっくりだ。
ギョレメ野外博物館。美しいフレスコ画が描かれた洞窟もある。

 ホテルに戻ると、富士山と見まがう形のエルジェス山が夕焼けに照らされていた。またも絶景! 明日は夜明け前に起きなくてはならないので、早めに休むことにした。

夕焼けに映えるエルジェス山。シルエットといい、雪の頂き具合といい、富士山にそっくり!

2015.02.10(火)
文・撮影=たかせ藍沙