各地のうまいものが集まるアンテナショップで脱・マンネリ鍋!
日本各地のお国自慢食材が揃う各ショップで、野菜や肉・魚、スープやタレはもちろん、シメのご飯や麺、お酒やデザートまで、鍋パーティーに欠かせない日本各地のご当地食材を徹底リサーチ。この冬は、東京にいながらにして日本のおいしいもので鍋パーティーを!
2015年3月に北陸新幹線が開通し、首都圏からのアクセスがぐっと便利になる石川県。2014年10月にオープンしたアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」では、「加賀百万石」とうたわれる雅びな世界が体験でき、伝統の「加賀野菜」も入手できるとあって、開店以来、客足が途絶えることはありません。
今回はそんな石川県の食材を使ってどんなお鍋ができるのか、店長の大塚義明さんに相談してみたところ、「家庭でよく使われている人気のみそを使い、野菜たっぷりの鍋をつくってみましょう」との提案が! 北陸ならではのおいしい日本酒とともに、他県では手に入りにくい貴重なおつまみも多数ご紹介します。
◆ 野菜
金時草(きんじそう)は、金沢市農産物ブランド協会の認定する加賀野菜15品目のひとつ。かつては熊本で栽培されていましたが、現在は金沢でしか生産されていないそうです。
「つるむらさきのような、かすかな土の香りとぬめりが特徴。つみ取った葉をさっとゆで、酢の物にするのが定番ですが、みそ汁の具や鍋に入れてもOKです」と大塚さん。ただし、熱を通しすぎるとぬめりが抜け、色合いが悪くなるので、早めに引き上げるのがコツだそうです。
丸いもは、大正時代から栽培されている石川県能美市の特産物。加賀平野のごく限られた地域(根上地区など)で生産されることから、「加賀丸いも」とも呼ばれます。黒い皮をむくと真っ白な芋が顔を出し、すりおろすと「とろろ」に。
「加賀丸いもの一番の特徴は強い粘り。小麦粉を水でといたようなしっかりした素材感で、濃厚なうまみがあります。すりおろして鍋にいれ、淡雪仕立てにすると面白いのではないでしょうか」(大塚さん)
◆ だし・調味料
石川県では家庭で鍋をするとき、ひんぱんに登場するのが「とり野菜みそ」。県のほぼ全域で販売されている定番の家庭用みそで、シンプルなみそ鍋の下地が簡単につくれます。
ちなみに、「とり野菜みそ」の「とり」は鶏肉のことではなく、「野菜をたっぷり摂る」との意味をこめたネーミングだそう。大豆と米麹から作るみそを基本に、香辛料などを配合して、こくのある味わいに仕上げています。
「とり野菜みそ」の棚の近くには、石川県らしいキラキラした商品も並んでいました。
食用金箔だけでも、なんと7種類ありました。お菓子やデザートにふりかけるのが一般的ですが、丸いもをすりおろした上に散らせば、ゴージャスなお鍋に一変しそう。おもてなしの鍋パーティー、おめでたいときのお祝い鍋パーティーに試してみたい!
◆ シメ
石川県人ならほぼ、目にしたことがあるというメジャーな乾麺。小松みやげとしても人気の品です。めんは国内産の上質な小麦粉、塩は能登半島の浜塩、加賀特産丸いもを使用。なめらかで柔らかく切れにくい、のど越しの良い細めんです。
2015.02.01(日)
文・撮影=中津川詔子