パラオのような島々にパプアのような人々

 ラジャアンパットには1500を超える島々があり、最も大きなワイゲオ島を滞在の拠点に、島々を回ってみました。

 ハイライトはワイゲオ島の北にあるパイネモに立つ展望台! ジャングルの中を300段以上の階段を上って頂上へ向かうと、まるで天国のジオラマのような絶景が広がります。マッシュルーム型の緑の島がぽこぽこと無数に浮かび、パラオのロックアイランドのよう。実際、ラジャアンパットはパラオの南に位置し、約2時間のフライトの距離だそう。

晴れていたら、もっと感動的だろうなと思われるパシール・ティンブル(“浮かんだ砂”という意味)。干潮時、砂洲が浮かびあがってくることから、命名されたのでしょうか?

 また、パシール・ティンブルというサンドバンクも干潮時に浅瀬から真っ白な砂州が浮かびあがる美しい光景。真珠の養殖場のあるガム島では、日本の若き職人さんもいらっしゃり、「友人以外で日本人と会ったのは、この3年間で初めて!」と、まさに『こんなところに日本人』的出会いも。こうした石灰岩カルスト特有の粘土細工のような不思議な形の島々の合間を縫って船で進むのも、ごきげんです。

売り物ではありません。ワイサイのマーケットにて。
ワイサイ村で出会った女の子。メラネシア系住民もいれば、ジャワ系住民もいて、みんな和をもって暮らしています。

 ワイゲオ島ではリゾートにいると、自然以外何も目に入ることがないのですが、島の南西にはワイサイという中心地があります。目下、急ピッチで街路や広場を建築中のようですが、食堂やバイク店、床屋さん、小さな家具店など、観光地というよりも島の暮らしに必須な商店がほとんど。どことなく昭和な匂いを感じました。

 出会う人々はパプアニューギニア人のような縮れた髪の濃い顔付きの人が多く、それでいてインドネシア語を話すのが、妙に不思議で。今回はチャンスがなかったのですが、村を訪れると、踊りや歌を繰り広げる伝統儀式で迎えてくれるそう。

島内移動はもっぱらボート。海を渡っていると、ぽつんと立つゲストハウスを見かけることが、たびたび。こうしたバンガローの多くは、ニューギニア島のソロンから送迎サービスをやっているもよう。

 インドネシア政府によると、ラジャアンパットはバリ島についで今後、力を注いでいく地域だとか。世界遺産に登録される日も、近いのでは?

ラジャアンパット
●アクセス インドネシアのジャカルタから国内線でスラウェシ島のマカッサルへ飛び、さらに西パプア州のソロンへ空路で。ソロンからボートに乗り継ぎ約1時間。(日本からは約1日がかり)。クルーズ船で周遊するのがポピュラー。アマンリゾーツやアリラ・ホテルズ&リゾーツも豪華クルーズを開催
●おすすめステイ先 パプア・エクスプローラーズ・ダイブ・リゾート
URL http://www.papuaexplorers.com/

【取材協力】
Garuda Indonesia(ガルーダ・インドネシア航空)
Sorong Regency(ソロン政府)
Ministry of Foreign Affairs of Indonesia(インドネシア外務省)
Embassy of the Republic of Indonesia in Japan(駐日インドネシア共和国大使館)

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

 

Column

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2014.11.08(土)
文・撮影=古関千恵子