新しいプリズムの中でひと際
目を引く「黒い箱」の正体は?
CG処理なし。1日かけて撮影したというビジュアルは、何色もの繊細な粉のドレスを纏っているような美しさ。
プリズム新時代を飾るのは4色構成の「プリズム・リーブル」が3種と、黒いパッケージの「プリズム・リーブル・プルミエール」。なぜひとつだけ黒いの?
「ユベール・ド・ジバンシィは毎シーズン“ブラック ボックス”と称してキーとなるアイテムを黒い箱に入れて提案していたんですね。現在のデザイナー、リカルド・ティッシはシューズを入れて提案しているんですが、僕もコスメでブラック ボックスを作りたいと思ったんです。それがプルミエール。すべての女性がシンプルに使えて最上級の肌を叶える単色のフェイスパウダーです。いいものができたので4色のリーブルも集大成となるものを作りたいと。モスリンやオーガンジーなどオートクチュールに使われる生地からインスパイアされた色と質感を完成させました」(ニコラ氏)
前出のテクノロジーも大幅に進化し、これまでの2倍のスピードで2倍の時間をかけ、従来の1/5の大きさまで超微粒子化することに成功。そして、パッケージも。
「さらに微粒子になったので容器もコンパクトになりました。蓋を開けるとジバンシイの4Gの穴があるんですが、ここも改良を加えてそれぞれの色が均一に出るように。飛行機に乗ったとき機内食についてきたソルト&ペッパーがヒントになったんですよ。みなさんの代わりに僕が十分に考えて設計したので(笑)、自由に楽しんでください。必ずキレイになれます!」(ニコラ氏)
これまで何度も取材をしてきて「常に自分に正直でありたい」と語っていた彼。満面の笑顔に新プリズムの完成度を確信できたし、今後の展開もすごく気になる。
「あらゆる肌色、なりたい肌に応えるためにバリエーションを増やしたいと考えています。大好きな日本に向けて限定アイテムも出したいですね」(ニコラ氏)
それ大賛成、絶対に作ってほしい!
ニコラ・ドゥジェンヌ
ジバンシイ メイクアップ アンド カラー アーティスティック ディレクター
メイクアップ アーティストとして映画やTV、コレクションなどで活躍。1999年より現職。ジバンシイのメイクアップラインのクリエイション、広告ビジュアルの一切を手掛ける。大の親日家で、美容ライターにもファンが多い。
吉田昌佐美
キャリア35年の美容ジャーナリスト。新旧の名品やブランドの歴史を知りつくし、研究員からの信頼も厚い。CREAで長年にわたりナビゲーターを務めた連載「ブランド力調査隊」が今回からパワーアップ。確かな分析力と取材力でブランドの「強み」を解説します。コスメ好きはCREA WEB連載「吉田昌佐美の“早出し”ビューティ裏ばなし」も要チェック。
Column
吉田昌佐美のブランド魂発見!
鋭い視点からの取材力と情報の蓄積に定評を持つキャリア35年の重鎮美容ジャーナリストが、コスメブランドそれぞれの「強み」を解説。さまざまな逸品ビューティアイテムに込められた「魂」に迫ります。
2014.11.04(火)
文=吉田昌佐美
撮影=塚田直寛