アルコール度数を落とした軽やかなワインを生産
最後に、もうひとつ、ボルドーの新しい流れを予感させる、シャトー ルクーニュのカルメネールというワインを紹介したいと思います。このシャトーでは、15年前から、ボルドーで栽培されることが少なくなってきているカルメネールという赤ワイン品種の葡萄を作っているのが特徴。生産者のグザヴィエ・ミラド氏曰く、「ボルドーの赤ワインはどんどんアルコール度数が上がる傾向にある。昔のボルドーワインに戻したいと、アルコール度数を下げる品種を作り始めた」。
どういうことなのでしょうか。実は、温暖化の影響などでボルドーの主要赤ワイン品種の葡萄の糖度が上がる傾向にあるそう(糖度の高い葡萄を使うと一般的にアルコール度数が上がる)。そこにカルメネールをブレンドするとアルコール度数を落とす効果がある、つまり、カルメネールは糖度が上がりにくい葡萄なのだそうです。この品種は、遠い昔、ボルドーで多く栽培されていましたが、今ではチリで主要品種となっている葡萄。さて、シャトー ルクーニュのカルメネール100%のワインを飲むと、これがびっくり! 軽やかで、ボルドーワインというよりブルゴーニュワインに近い印象です。
カルメネールの栽培とブレンド。もたらされるアルコール度数の低下。ボルドー赤ワインの新たな流れかもしれません。
Château Recougne (シャトー ルクーニュ)
所在地 1 route de Savignac 33133 Galgon
電話番号 +33-5-57-50-33-33
URL http://www.chateau-recougne.fr/
2014.10.01(水)
文・撮影=浅妻千映子