デスクワークで肩はバリバリ。マッサージをしても改善しない。……と、長年しつこい肩こりに悩まされてきたeCREAアンバサダーの小西俐舞ナタリーさん。年間1万人以上の肩こりを解消してきた実績を持ち、今、著書『こりトレ』が大評判の富永喜代先生に相談してみることにしました。
それ、本当に「肩」の痛みですか?
富永先生は、痛み改善を専門とするペインクリニックのお医者さま。神経解剖学と臨床医学理論の立場から、こりや痛みをとる方法を見つけ出してクリニックで指導。その方法を、著書『こりトレ』の中で紹介しています。
ひとくちに肩こりといっても、原因や痛みを感じる場所はさまざま。肩こりを解消するにも、自分に合った方法を知ることが大切なのだそうです。そこで小西さん、まずはカウンセリングからスタート。
富永 早速ですが、小西さん。こっている場所はどのへんですか?
小西 そうですね。いちばん痛いのは、このあたりかな……(と首のサイドをさするように)。
富永 なるほど。よく見てみてね。そこ、肩? 首じゃなくて?
小西 えっ?(と自分の両手を見ながら) あ、本当だ! 首ですね。今までずっとここが痛いのに、肩が痛いと思い込んでいました。
富永 皆さんに聞いてみると、首の上のほうを指す人から背中を指す人までさまざまです。肩こりというのは、そういう症状の総称。痛みのある場所も、原因も、人によって違うんです。しかも、本当に傷んでいるのは、痛いと感じている場所ではないことが多いんですよ。
小西 え、そうなんですか?
富永 そもそも、無理な姿勢を続けていると、むくんだ筋肉が血管を圧迫して炎症が起きて、痛みのもとが生まれます。その情報が脳に送られるんですが、通り道に神経が皮膚の表面近くを走っている部分があると、そこでも痛いと感じてしまうんです。たとえば、ここ、触れると痛くない?(と肘のあたりを押す)
小西 あ、痛いです。何でだろう?
富永 それは、首の神経の終点がここにあるから。首が傷んでいるのに、肘でも痛みを感じるんです。
小西 えー、面白い! じゃあ、今まで痛いところをマッサージしてもらっていたのって、意味がなかったということなんでしょうか?
2014.11.02(日)
取材・文=嵯峨崎文香
撮影=鈴木七絵