「本気で肩こりを治したい人」
「これ以上、肩こり対策に貴重な時間とお金を浪費したくない人」
そんな人におすすめの書籍『こりトレ』から、肩こりを改善するためのポイントを紹介します。今回は『こりトレ』の付録、ラバーチューブについて、著者の富永喜代先生に教えてもらいました。
ラバーチューブを
つけるだけでも、肩こり改善
書籍『こりトレ』で説明しているような7つのポイント別ストレッチを、毎日少しずつするだけでも十分肩こり改善に効果はありますが、では何故あえてラバーチューブをつけるのでしょうか? それは次のような効果がラバーチューブにあるからです。
1. 肩甲骨を背中の正しい位置に戻せる
ラバーチューブ最大のメリットは、肩甲骨を正しい位置に戻せることです。肩甲骨が正しい位置にあるかどうかをチェックするため、私の場合は次のような診断基準を設けています。
[A] 肩甲骨内側と背骨が7センチ以上離れている。
背中の筋力が弱ると、肩甲骨と背骨の距離が7cm以上離れます。セーターをハンガーでつるして干すと肩のラインが伸びるように、腕の重さで筋肉が伸ばされ、肩甲骨も外側に離れます。
[B] 肩甲骨の下部が、肋骨から浮いている。
肩甲骨には表面だけでなく、裏面にも腕を動かす筋肉があります。この裏面の筋肉の力が弱ると、貝のフタが開くように、肩甲骨が肋骨から浮き上がります。
[C] 腕を上げたとき、肩甲骨がハの字に広がらない。
腕を上げる動作は、腕、鎖骨、肩甲骨が互いに連動する動きです。正常なときには肩甲骨は回旋してハの字に広がりますが、肩こりで筋肉や関節が固まると回旋しないので、ハの字に広がりません。
[D] 左右の肩甲骨の内側タテのラインが、横に広がる。
肩こりで筋肉が弱ると、肩甲骨は腕の重さで外側下方に引っ張られ、どんどんなで肩になっていきます。まっすぐ立ったとき、ハの字だった肩甲骨内側のタテのラインはV字になっているはずです。
2つ以上あてはまる人は、肩甲骨が正しい位置にない可能性があります。ラバーチューブをつけると、体の外側に移動した肩甲骨が背骨に近づきます。すると、外側に引っ張られていた背骨と肩甲骨の間の筋肉がゆるみ、血流が戻ってきます。血流が戻ってくるだけでも肩が楽になったと実感できるはずです。
2. 弱った筋肉を補強し、正しい姿勢を記憶させる
ラバーチューブは、首や背中の筋肉を補強して正しい姿勢を脳に記憶させます。すると、全身の関節や骨格のバランスが整い、体を動かす機能性が向上します。正しい姿勢でいることが、どんなに快適か認知した脳は、記憶した正しい姿勢をくり返すよう、全身に働きかけます。こうして姿勢の好循環が生まれます。
2013.12.26(木)
宮崎信行=人体図