ラバーチューブ・ストレッチはここがスゴイ!

 このようにしてラバーチューブでまず肩甲骨の位置を補正し、それからストレッチすると、二重の効果が得られ、少しの力で筋肉の深いところ(インナーマッスル)を効率よくほぐすことができます。それと同時に深部にある太い血管も拡がり、体温も上がります。

 私の患者さんたちにも試してもらいサーモグラフィーを撮ったところ、たった1分間ストレッチしただけで、30分後も指先までポカポカ。冷え性まで改善してくれるということがわかりました。

 体温が1~3度上がると、細菌やウイルスと戦う白血球の働きや、インターフェロンなどの免疫活性が高まるといわれています。しかも、ラバーチューブ・ストレッチがほぐす筋肉は脳や神経と直結しているので、緊張した交感神経の興奮を抑え、リラックス効果も生み出します。さらに頭痛やねこ背を改善してくれることもわかっています。

左:ラバーチューブ・ストレッチ(12/26公開予定)を1分間行った直後の体表温度。まだ両腕と背中は冷えている。
右:ストレッチ後、安静状態で30分経過したとき。直後に測ったときよりも血流が改善して指先が赤くなっているのがわかる。
(測定機種:TH9100,NEC Avio 赤外線テクノロジー株式会社製。室温22℃、湿度45%)

富永喜代 (とみなが きよ)
1967年生まれ。痛み改善ドクター、麻酔科医師。2008年、肩こり、頭痛、腰痛、関節痛など、人を悩ますさまざまな痛みを緩和するため、愛媛県松山市に「富永ペインクリニック」を開業。クライアントのライフスタイル分析から治療方針を定め、体質改善を図る独自の「オーダーメイド治療」が、人生まで変えると評判に。同クリニックの肩こり・頭痛外来の年間受診者数は1万人を超え、国内のクリニックでベストテンに入るほど。

the rubber-tube stretch
こりトレ

著・富永喜代
本体1600円+税 文藝春秋刊

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2013.12.26(木)
宮崎信行=人体図