「ついで」の下ごしらえで「おいしいもの貯金」を

セロリを刻みタコを和えるだけで、サラダのできあがり。1分で1品完成。「ついでに切って、ついでに茹でて。5分あったら手を動かすの。できることはたくさんありますよ」

 何しろ料理は段取り。食事の支度をしながら、ついでに野菜を切ったり、ついでに茹でたり。明日使う野菜もついでに洗ってビニール袋へ。セロリなどの葉もの野菜は茎と葉に切り分ける。煮ものは別々に下茹でして出汁につけておけば味つけも短時間で済み、色が美しく仕上がる。いろんな調理に使えるように「半ごしらえ」で保存しておくのがポイントです。下ごしらえの段取りがあれば一からつくらなくていいので料理が早いでしょ。

 忙しいときでも5分あったら、下ごしらえのストックを増やそうと素早く手を動かすといった日々ですが、備えあれば憂いなし。「時間がない、でも家族においしいものを食べさせたい」、そんなときにこつこつ積み立てた「おいしいもの貯金」があれば、夫の胃袋は満たされ、わが家は安泰なのです。

左:「赤酢」に蜂蜜少々を加えたネギの甘酢漬け。切り方を揃え、きれいに並べると均等に味がしみる。
右:下茹でして出汁につけたもの。味つけも短時間で済むから、色よく仕上がる。

2014.07.30(水)
文=石村由起子
撮影=鈴木心、榎本麻美