哀しみ箱の備え
冠婚葬祭は人生の大切なセレモニー。どんな人生にも喜びの日と哀しみの日があるものです。年齢的に哀しいニュースが突然舞い込むこともあり、そうしたときの備えの大事さを感じてつくったのが、香典袋や黒いストッキングなどをひとつにまとめて収納した、「哀しみ箱」です。
最初は結婚式などのお祝いごとアイテムを集めた「慶び箱」もつくっていたのですが、こちらは前もってわかることがほとんど。お祝い先の方に合わせたデザインの祝儀袋や小物など、寿ぎの気持ちを伝える用品も、そのつど個別に選んだ方がいいんじゃないかと。
対して、哀しみごとは予測できないことがほとんど。そんなときに、古いストッキングしかなくって、しかも破けてた! ってことは、ありがち。
哀しみの席へは、故人、そして故人のご家族の方々に礼を尽くして駆けつけたい。慌てて支度して、その騒がしい気配を身にまとってお別れを伝えるなんて避けたいし、哀しみにきちんと向き合える心でいたい。だから何もない普通の日に、こうした「備え」を手配しておきます。
【目次から】
01 家事とごはん:「当たり前」が大事/おいしいもの貯金/忙しくなる前につくるスープ/他
02 インテリア:くつろぎをつくる「椅子と灯り」/片づけグセのつけ方/他
03 心と体:コウハイ人生!/哀しみ箱の備え/うちの酵素シロップ/他
04 身だしなみ:ストール愛/インナー探し/バッグ選びの掟/着替えスペース考/他
2014.07.30(水)
文=石村由起子
撮影=鈴木心、榎本麻美