その日は家族で泊まることになり…

「やっぱ子ども一人で置いとくん、良くなかったんかねぇ。面倒だけ増えるすけ……」

 黒い着物のおばさんはそうため息をつくや若いお手伝いさんをひとり呼び、Yさんの面倒を見るように言いつけました。

 当初は子ども部屋に戻ろうと勧められましたが、Yさんが頑なに「あそこは怖いから嫌です!」と突っぱねたことで、仕方なく玄関付近でトランプなどをして時間を潰すことになりました。

 あっという間に時間は過ぎ、例の大人たちの話し合いもひと段落がついた様子で、そのまま大きな宴会が開かれたそうです。

 宴会がお開きとなり、車で帰る親族たちに倣って外に出ようとすると着物のおばさんに呼び止められました。

「遠出なんだろし、一晩そのまんま泊まってきなせや」

 そう提案を受け、Yさん一家は翌日帰ることになったのです。

 さっきまで恐怖に怯えていたYさんでしたが、家族3人で布団に入る頃にはあの恐ろしい感覚も忘れかけていました。

「しかしなぁ……まとまったとはいえあれはなぁ」

「仕方がないわよ。私たちだって強く言える立場にないし」

 寝支度をしながら、両親がそうため息交じりに漏らしたのが記憶に残っているそうです。

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