目が覚めるとそこは……

 全身がじんわりと芯から温められるような熱気に、Yさんは目を覚ましました。

 触らなくても胸元や首筋が汗でじっとりと重くなっているのがわかりました。

 目を開けても辺りは真っ暗で、まだ夜は明けていないようです。

 というよりも、周囲には光が全くありませんでした。

 意識がはっきりしてきて周囲の解像度が高まるにつれて、体の周りに嫌な閉塞感を感じたのです。

 布団を頭まで被って寝てしまったのだと思いました。しかし、すぐに何かがおかしいことに気がつきました。

 妙に奥行きを感じるのです。

 暗闇の中で探るように手を伸ばすと、指先に何か柔らかい物が当たる感触がありました。

「さんじゅうはち……」

 小さなつぶやき声が、かすかにYさんの耳に聞こえてきました。

「……さんじゅうきゅう、よんじゅう、よんじゅういち、よんじゅうに、よんじゅうさん」

 心臓の鼓動が恐怖で早まり、息苦しさに拍車がかかるのがわかりました。

 布の向こうから聞こえてくる声。

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