生誕100周年を迎えたマリリン・モンロー。永遠の大女優の素顔とは――。
ここでは、『マリリン・モンロー 100年の孤独』(遠藤突無也 著、さくら舎)を一部抜粋してお届けします。
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マリリンは、その人生で3回結婚している。
最初の夫ジム(ジェームス)・ドハティは5歳、ジョー・ディマジオは12歳、アーサー・ミラーは11歳……それぞれマリリンより年上である。
ジム・ドハティとの結婚時は、16歳の未成年。行く当てのない未成年は、孤児院に行かなくてはならないという法律があり、ノーマ・ジーン(※編注:マリリン・モンローの本名)には、里親が引っ越す田舎に付いてゆくか、結婚か孤児院か、という究極の選択があった。
彼女は、ロサンゼルスをどうしても離れたくなかったし、非人間的な場所(孤児院)に本当に行きたくなかったので、この結婚は仕方がないと思ったのだろうか。
しかし隣家の息子で、学校で人気のスポーツマン、クラス委員を務めたジムとは、案外お似合いのカップルだったようだ。
最初は、簡単に隣家同士で縁談を決めたという話に驚かされたが、1940年代のアメリカでは、どうも珍しい話ではなかったらしい。
ほほえましい愛妻弁当の思い出
21歳のジム・ドハティは、16歳のノーマと結婚したいわゆる一般人である。後年、大スターの元夫として記者に追いまわされる有名人になってしまったが、いくつかの本の中で女優になる前のマリリンの可愛さを素直に語っている。
お弁当に毎回玉子のサンドウィッチを持たせる16歳の若妻に、たまには変えてと夫が言うと「毎回メッセージを変えているのに……」と言ったという逸話は、ほほえましい。
ジムはフットボール選手で地域で活躍したあと海軍に入り、その後特殊部隊の警察官になった。その時代なりのエリートだったわけだが、インタヴューからは素朴な善人の雰囲気が伝わる。
考えるまでもなく、妻が女優になるという野望を持つ以上、女優なんてとんでもないと思う当時の一般的な男性と結婚を続けるのは土台無理な話であった。
しかし彼女は、夫の居ない間働いた軍需工場で、銃後の女性を特集した『YANK』のグラビアに登場。その工場で働く沢山の女性の中から、どうしても選ばれてしまう天性の魅力を持っていた(もっと前から、写真は撮られ馴れていたようだ)。










