数十年後、例の引き出しを開けると…
以来、その存在は忘れていたんですけど、その数十年後に引っ越しをすることになったんです。引っ越し屋さんが来て、引き出しをひとつずつ運んでいくわけですが、パッと例の引き出しを開けたら、ワーッとものすごい量の毛髪が……引っ越し屋さんも私も「アーッ!」「キャーッ!」って絶叫しました。
あれ白髪にならないんですね。真っ黒なまま。そのときはもうお義母さんもおらへんかったので、さすがにそこで捨てましたけど。
新婚のころはこっちも気を遣ってますし、お義母さんにいただいたという気持ちもありますから、どんなものでも「ありがとうございます」と言ってもらってたんですけど、黒髪以降は、全部ゴミ箱行きです。ガーンと音立ててゴミ箱に捨てるのがストレス解消でしたね。
ですからあなたも、シャインマスカットだろうが何だろうが、全部捨てたらいいんです。それはシャインマスカットを捨ててるんじゃないんです。もったいないの罪悪感から逃れるために嫁にゴミを押し付けてくるお義母さんの「汚い根性」を捨ててるんです。
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上沼恵美子の人生笑談 白黒つけましょ
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文藝春秋
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