現在、NHK総合で放送中のドラマ10『シバのおきて~われら犬バカ編集部~』(毎週火曜、22:00~)。物語もいよいよ終盤を迎え、”笑って泣けて癒やされる“と、じわじわとハマる視聴者が続出!

 ノンフィクション作家・片野ゆかによる小説『平成犬バカ編集部』をもとにした本作は、崖っぷち編集長の相楽(大東駿介さん)が、愛犬・福助(のこ)を相棒に柴犬専門誌『シバONE』を立ち上げ、犬が苦手な編集者・石森(飯豊まりえさん)ら個性豊かな仲間たちとともに奮闘する姿をユーモアたっぷりに描いたもの。

 毎話、福助をはじめとする柴犬たちがわちゃわちゃ登場する点も見どころで、シバたちの名演ぶりはSNSでも話題に。そんな数々の名シーンの裏側には、“犬ファースト”を貫いた撮影現場のこだわりがありました。知ってから観ると今後のドラマがいっそう楽しめる撮影の舞台裏を、制作発表会の模様とともに紹介します。


キャスティングの条件は”真の犬好き”

 ドラマの放送直前に行われた完成会には、主演の大東駿介さん、共演の飯豊まりえさん、プロデューサーの内藤愼介さんが登壇。そこへ福助を演じた柴犬・のこが姿を見せると、会場は一気に和やかなムードに包まれました。

 「撮影現場でも、犬が真ん中にいてくれることで、キャストもスタッフも自然と打ち解けました」と大東さん。撮影の待ち時間も誰ひとりとして楽屋に戻らず、犬を囲んでコミュニケーションを重ねたことで、撮影当初から絆が深まっていったそう。そんな温かな環境の背景には、キャスティングへのこだわりがありました。

 「原作者の片野先生から、“犬が好きな人をキャスティングしてほしい”とまずお願いされたんです。本作は“犬と人間の一体感”も求められる作品。犬が好きなフリをしても芝居が成立しないし、ご本人にとってもマイナスになることを率直にお伝えして、心から犬を愛している方だけに参加していただきました」と内藤プロデューサー。

 その結果、自然と“犬ファースト”な現場が生まれ、人間だけのドラマでは生まれ得ない独特の空気感が育まれていったと言います。

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