【2023】映画『春の画』でも描かれた日本の春画は、なぜこれほど芸術的価値が高いのか?
インドや中国の性愛画も有名だけれど、日本の春画ほど芸術的な価値が高くドラマ性に富んだアートはない。しかし明治以降、猥褻図として禁止され、150年も日の目を見ず、世界から注目されて改めてその価値が再認識され、映画にもなった。
神道などから来る性崇拝のように、日本人の性に対する畏敬のような感情が見て取れる。日本は意外にも江戸時代まで性に大らかだったという見方があるのも、極論すれば何にでも真摯に丁寧に取り組む日本人の国民性の現れなのか。
【and Now】性に積極的だった日本が、なぜ超セックスレス先進国になったのか?
2023年のデータだが、セックスレス(0回ではないが)の夫婦の割合は64%、婚姻関係のないパートナーを含むと70%に達するという。もちろんダントツで世界一。さらに注目なのは性的欲求を全く感じない20代男性が30代よりも多く、全体の2割以上に上ること。
少子化の原因はその辺りにもありそうだが、戦後、もう戦争しない国を標榜し闘争心を養わなくていい平和が男性ホルモンを減らし、草食化したことも大きいよう。ギラギラした男が激減した平和に安らぎを感じる女性も増えたことはたしかだが。
齋藤 薫(さいとう かおる)
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌で多数のエッセイ連載を持ち、CREAには1989年の創刊以来、常に寄稿している。最新刊「年齢革命 閉経からが人生だ!」(文藝春秋)が好評発売中。
Column
齋藤 薫 美容脳ルネサンス
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤 薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
CREA 2025年秋号
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