“ドラマ超え”の福利厚生が仕事を支える
――日本企業もずいぶん変化してきたと思いますが、やはりコミュニケーションの取り方が違っていて面白いですね!
そうですね。ちょっと他部署の人と会って話すとか、そういったときにサクッと使える環境が整っているので、コミュニケーションもスムーズです。
――ランチはどうでしょう? みんなで行きますか? それともひとりで?
最近は認識が変わりつつありますが、韓国はもともとご飯の時間もコミュニケーションの一つとの考えが根強いので、今も一人ごはんに苦手意識を持つ方が多いです。日本はひとりでも食べられる環境自体が整っていますが、韓国はひとりランチができるお店が、そもそもそんなにない。私もランチは、チームの方や会社の同期など、必ず誰かと一緒に食べます。
――チームの方とも気軽にランチに行けたり、ティータイムがあったり。先輩や上司との付き合い方みたいなのは日本と違いますか?
上下関係の考え方は日本と結構似ていると思います。韓国語の中にも敬語が存在するので、上司との関係に関して特に意識したり気を付けたりする部分はあまりないですね。
一つ大きな違いがあるとすれば、日本人よりもはっきりと言葉にする、という点でしょうか。韓国語で話すときは日本語のときよりももう少しはっきり話したほうがいいのですが、そこはあまり難しくないです。日本人が気を付けるとすれば、ストレートにグサッと刺さることを言われても、あまりくよくよしないようにすることでしょうか(笑)。
逆に韓国の方が日本で働くほうが大変かもしれません。日本語は相手に委ねるというか、相手に意味を捉えさせる話し方をするんですよね。たとえば、直接的に拒絶する表現はしていないけれど、聞いている側からすると「あ、これは断っているんだろうな」と相手に判断させるような。私の先輩の韓国人で日本語が堪能な方がいるのですが、彼女はこれがすごく苦手みたいです。
――なるほど。ちなみに福利厚生や会社の社会保障などはどうですか?
まず食事が無料という会社は多いです。ランチ代やご飯代がお給料に含まれていたり、ランチを買えるカードを支給してもらえたりというパターンはよく聞きます。
うちは社員食堂がありますが、朝昼夜の食事が全部出ます。朝はキンパとかヨーグルトなど、1000ウォンだから100円くらい。ランチと夜ご飯は無料で食べられます。お昼ご飯が一番メニュー豊富で、いつも10種類くらいありますね。
最近は外国人の社員が増えているのでヴィーガンメニューもありますし、ダイエットしている人にはサラダというチョイスも。私はひとり暮らしなのでやはり夕飯までタダで食べられるのがすごくありがたいです。
――羨ましい限りですね! ドラマの中での韓国企業のイメージに近いです!!
あとは社内にクリニックもあって、風邪を引いたとか怪我をしたとかなどの簡単な治療はそこで受けられます。診察代金は1000ウォンで処方箋も出してもらえます。もうひとつ、うちの会社は面白くて“マッサージ”が受けられるんです。30分で5000ウォンなので、500円です。
――チーム内で「あいつ、仕事サボってマッサージに行ってるぞ!」みたいな感じにならないんですか?(笑)
ならないです(笑)。会社にはジムもあるのですが、そういった福利厚生施設に出入りするときは社員証が必要で。そこでピッとチェックインすると、出ていくまで自動で勤務時間から除外されるんです。便利なんですよ。
勤務時間はフレックスタイム制で、10時までに出勤して15時以降に退勤すればいいシステムです。それ以外の時間に関しては一カ月の勤務時間を自分で調整して使うことができるんです。たとえば、残業になっちゃってある日は18時退社のところを20時に帰ったら、金曜日は16時くらいに退社しちゃうとか。16時くらいに退社して、ピラティスに行ったり、友人に会ったりすることも、リアルによくありますよ!
              
            