閉幕した「大阪・関西万博」の余韻が残る大阪。せっかく訪れたならば、大阪でしか味わえない食いだおれグルメを楽しみたいところ。今回は、大阪グルメの定番である「たこ焼き」の、絶対に訪れたいお店を2店舗ご紹介します。
» 1_福島の「多幸屋」で味わう、極上のたこ焼きとタコ料理
» 多彩な焼きたてたこ焼きが生む至福の瞬間
» アルコールも豊富。居酒屋としての使い方も
» 2_天満・天六にひっそり佇む老舗「うまい屋」の風景と味わい
» たこ焼きメニュー1種類のみ。“素の味”へのこだわり
» 紆余曲折の歴史を経て大繁盛店へ
1_福島の「多幸屋」で味わう、極上のたこ焼きとタコ料理
大阪の福島区、新福島駅から徒歩1分。細い路地を入った先に、ふんわりと鉄板の湯気と香ばしい香りを漂わせる「多幸屋」があります。たこ焼きとタコ料理を愛する人々にとって、ここはまさに聖地。
店主の上田幸男さんは、タコ専門の加工会社を実家に持ち、その知識と経験を生かして料理を提供しています。そのこだわりは、訪れる誰もがすぐに感じ取れるほどです。
まずは「蛸3種盛り」でタコの世界を体感
席に着くとまず、すすめられるのは「蛸3種盛り」。モロッコ産マダコ、北海道産水ダコ、明石産マダコが美しく盛り付けられた皿は、見るからに食欲をそそります。
明石産のタコは弾力がありながらもやわらかく、噛むたびに甘みがじんわりと広がります。水ダコはもちもちとした歯ごたえで、噛み応えと旨味のバランスが絶妙。モロッコ産はしっかりとした食感があり、噛むたびに海の風味が口いっぱいに広がります。産地ごとの個性を比較しながら味わう楽しさは、世界を旅行しているかのような体験です。
多彩な焼きたてたこ焼きが生む至福の瞬間
「蛸3種盛り」を楽しんだあとは、いよいよ主役のたこ焼き。多幸屋では注文を受けてから焼き上げるため、店内には熱々の鉄板と出汁の香りが漂います。
銅製のタたこ焼き台に生地を流し入れ、店員さんがリズミカルにくるくると返す様子は、まるで一つのパフォーマンスを見ているかのよう。
焼き上がったたこ焼きを口に運ぶと、外はカリッと香ばしく、中は熱々でトロトロ。大ぶりのタコがアクセントとなり、旨味がふんわりと口の中で広がります。出汁の風味と生地の甘み、そしてタコの歯ごたえが重なり合い、ひと口ごとに笑顔がこぼれます。
多彩な味わいで、食べ比べの楽しみ
多幸屋のたこ焼きは、味付けのバリエーションも豊富です。ソースマヨ、ポン酢、辛口ドロソース、塩ごま油、明太マヨなど、10種類以上の味があり、気分やお好みに合わせて選べます。さらに、トロトロチーズやネギぶっかけ、たこ焼きグラタンといったユニークメニューもそろい、一度の訪問で複数の味を楽しむことができます。
筆者も、食べ比べたところ、「素焼き」は懐かしい家庭的な甘みと香ばしさが際立ち、「キムチマヨ」はピリッとした刺激と旨味が絶妙にマッチ。ひと口ごとに違った表情を見せるたこ焼きの奥深さに、思わずうなってしまいました。
アルコールも豊富。居酒屋としての使い方も
多幸屋の魅力は、料理だけではありません。カウンター席を中心とした落ち着いた店内では、焼きながら話す店主の上田さんの笑顔や声が心地よく響きます。タコの仕入れや調理へのこだわり、家庭でのおいしい食べ方のアドバイスまで、直接聞けるのはここならではの楽しみです。
多幸屋では、ビール、焼酎、日本酒、ワインとドリンクの選択肢も豊富。スパークリングワインやベルギー産のシメイビールなど珍しい銘柄もそろい、たこ焼きやタコ料理とのペアリングも楽しめます。飲み放題付きのコース料理もあり、蛸3種盛りやたこ焼きのほか、タコ天やタコしゃぶといった料理を一度に楽しむ贅沢なひとときも過ごせます。
もちろん、テイクアウトも可能!
持ち帰りでゆっくり楽しみたいときには、テイクアウトもおすすめです。熱々のたこ焼きを包んでもらい、手元で味わうと、外のカリッと感と中のトロトロ感がそのまま再現され、どこでも多幸屋の味を楽しめます。友人や家族へのお土産にも喜ばれる一品です。
新福島駅から徒歩1分。路地裏の隠れ家のような立地は、まるで隠れ家を見つけたようなワクワク感を味わえます。
「多幸屋」は、たこ焼きとタコ料理を愛する人にとって理想的な場所。蛸3種盛りや焼きたてのたこ焼き、店主との会話──すべてがそろった空間で、心地よい時間を過ごせます。大阪の粉もの文化を体験し、タコの魅力を存分に味わいたいなら、この福島の隠れ家は外せません。訪れるたびに新しい発見と感動が待っている、そんな一軒です。
多幸屋
住所:大阪府大阪市福島区福島2-10-23
営業時間:月~土・祝前日 16:00-23:00、日曜日・祝日 16:00-22:30
定休日:不定休
電話番号:06-6136-3108
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