青春ってキラキラしているものだけじゃない

――本作は青春群像劇×ミステリーと銘打たれています。水上さん自身にとって青春とはどんな景色を思い起こさせますか?
青春って一般的に清涼感のある爽やかなイメージだと思うんです。色で例えれば青とか水色、世代で言えば10代。でも僕はそれだけが青春ではないと考えていて。歳を重ねても、それこそおじいちゃんおばあちゃんになっても青春って謳歌できると思うんです。
今まで積み上げてきた経験や自分の価値観、固定概念を取っ払って、新たなことに立ち向かっていく、その行為こそが青春なんではないかと。『シナントロープ』がどんな青春を描いているのかは、ぜひドラマを観て確かめてほしいです。
――同世代の俳優たちが集まり、作品を作り上げていくのも青春のひとつ?
そうですね。撮影中は緊張感があり、自由時間は和やか。メリハリのきいた現場になっています。皆さんから刺激をもらっていると同時に、僕もみなさんに刺激を与える俳優でありたいと感じる毎日です。
僕は高校時代、長崎の野球部に所属していたんですが、共演しているもっちー(望月歩さん)が長崎出身で。今年ちょうど母校が甲子園に出場していたこともあって、休憩中に一緒に試合を観ながら大盛り上がりでした。もっちーが興味を持ってくれたので、僕もつい『このプレーはダメなんだよ』とか『ここからこんなふうに展開していくよ』って解説してしまって(笑)。そんな時間もすごく楽しかったです。
» 【後篇を読む】「仲良しこよしする必要はない」水上恒司が"同世代俳優"たちとの真剣勝負で得た〈新たな気づき〉
水上恒司(みずかみ・こうし)
1999年生まれ、福岡県出身。2018年にドラマ「中学聖日記」で俳優デビュー。2020年の映画、『弥生、三月 -君を愛した30年-』、『望み』、『ドクター・デスの遺産 -BLACK FILE-』での演技が評価され、第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。ドラマ『MIU404』、大河ドラマ『青天を衝け』、映画『死刑にいたる病』などに出演。
ドラマプレミア23『シナントロープ』
2025年10月6日スタート
毎週月曜夜23:06放送
テレ東系ほかTVerでリアルタイム配信・見逃し配信
出演:水上恒司、山田杏奈、坂東龍汰、影山優佳ほか
原作・脚本:此元和津也
あらすじ
さえない大学生・都成剣之介のアルバイト先は街の小さなハンバーガーショップ「シナントロープ」。やる気のないオーナーに代わって、都成がひそかに想いを寄せる水町ことみ達8人のアルバイトが店を切り盛りしていた。そんなある日、突如“シナントロープ”が強盗に襲われる。水町らの必死の抵抗により、強盗は何も盗らずに逃走する。しかし、なぜかレジから現金が消えていた……謎が謎を呼ぶノンストップミステリー群像劇。
https://www.tv-tokyo.co.jp/synanthrope/
ジャケット 52,800円、中に着たシャツ 41,800円、パンツ 33,000円/サバイ(イボルブ 03-6823-5074)、Tシャツ 24,200円/チノ(モールド 03-6805-1449)、その他/スタイリスト私物

2025.10.06(月)
文=高田真莉絵
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=中村みつき
スタイリスト=藤長翔平