ルイ・ヴィトンは草間作品をモチーフにしたコレクションを発表
また昨年11月にはニューヨークのデイヴィッド・ツヴィルナー・ギャラリーで、ミラールームを使った体験型インスタレーションなどの新作を公開。ここでも連日長蛇の列で、2時間待ちは当たり前となった。インターネットのソーシャルメディアがショーの評判に拍車をかけ、行列のなかには普段ギャラリーに足を運ばない人も多かったという。「ニューヨーク・タイムズ」は、この展示が多様な人々に感銘を与えている様子を、観客の生の声と共に報じた。
2012年にはルイ・ヴィトンが草間作品をモチーフにしたコレクションを多数発表し、大きな話題を呼んだ。草間の作品の受け入れられ方は、狭義の現代アートの世界を軽々と超えてしまっている。その地域的、階層的な広がりは驚きに値する。まさしく現在の草間は、グローバル化した現代アートを象徴する「水玉の女王」なのだ。
こうした状況を彼女自身はどう感じているのだろうか。
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「自分の歩んできた道が間違いでなかったことが感じられて、非常に嬉しく思っています」と草間は謙虚に語る。しかしその「歩んできた道」は平坦ではなかった。
2014年、草間彌生の世界&国内ツアー
【アジアツアー】
「KUSAMA YAYOI, A Dream I Dreamed」
・台北 Taipei Fine Arts Museum 2014年12月~2015年2月
・ニューデリー National Gallery of Modern Art, New Delhi 2015年3月
【ラテン・アメリカツアー】
「Yayoi Kusama obsesion infinita」(永遠の強迫観念)
・サンパウロ Instituto Tomie Ohtake 開催中~2014年7月27日(日)
・メキシコシティ Museo Tamayo, Mexico City 2014年9月25日(木)~2015年1月19日(月)
【国内ツアー】
「永遠の永遠の永遠」
・秋田市立千秋美術館・秋田県立美術館 2014年7月11日(金)~9月7日(日)
・松坂屋美術館(名古屋) 2014年9月13日(土)~10月13日(月・祝)
草間彌生 (くさまやよい)
1929年長野県生まれ。前衛芸術家。小説家。10歳の頃より水玉と網目模様をモチーフに絵を描き始める。57年の渡米を契機に才能を大きく開花させ、多彩な前衛的作品を手掛ける。73年に帰国後は東京を拠点に世界各地で作品を発表し続けている。
2014.06.26(木)
撮影:森本美絵
文:鈴木布美子