この記事の連載

ゴトウショウヘイさんが担当した、イチオシ作品は?

◆『松苗あけみの少女まんが道・結』松苗あけみ/ぶんか社

 自身の半生をつづった前作『松苗あけみの少女まんが道』の続編。主に30~40代の出来事を中心に、包み隠さず描いた今作。バブル期に購入した約1億5千万円の自宅のローン返済や、専属契約を辞め締め切りに追われつづけたフリー時代、数々の美しいイラストの作画テクニック、そして現在まで、自身の漫画家人生を大公開。

「現在の連載作品からは選びきれないので、完結した作品から選ばせていただきました。「映画『かくかくしかじか』でも触れられた、『ぶ~け』の大看板の一人、松苗あけみ先生の半生をつづったエッセイ作品完結編です。バブル期の豪快なエピソードから、近年の原画展の様子、そして美麗な作画テクニックの秘訣など少女漫画に夢中になった人にはぜひおすすめしたい作品です。現在ファン待望のオリジナルストーリー作品を来年発表予定で準備中です。そちらもご期待ください!」

人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?

◆『G戦場ヘヴンズドア』日本橋ヨヲコ/小学館

「漫画家を題材にしている作品で一番好きです。朝まで全巻一気読み!という無茶はなかなかしづらくなってきましたが、『1時間くらいならいいか……』という気持ちでついつい夜ふかしをしてしまった回数が圧倒的に多いため選出させていただきました。漫画家とは、編集者とは、読者とは……あくまでフィクションだとは理解しつつも、のめり込まざるを得ないドラマとセリフの強さに、読むたびに新しい感動と気づきがある作品です。漫画編集という職に就いてからいっそう読み直す回数が増えました」

ゴトウショウヘイさんの「マンガを読むときのマイルール」

「これと言って決めていることはないのですが、書店でシュリンクされた本を購入し、大切に持って帰っていざ読もう!という時は、映画館で映画を観る時のように集中して読みたいので、携帯が鳴ることがない深夜帯に読むことが多い気がします」

ゴトウショウヘイさん ぶんか社 comicタント/comicルクス編集部

4コマ/コミックエッセイの編集を経て現在は主にcomicタント/comicルクスの作品を担当。担当作のひとつである『じゃあ、あんたが作ってみろよ』谷口菜津子(ぶんか社)が2025年10月にTBS系でドラマし、話題に。

CREA夜ふかしマンガ大賞とは…

マンガを愛する選考委員とCREA編集部の推薦により選ばれた「思わず夜ふかしして読みたくなる」そして、「いま、CREA読者に本当におすすめしたい」作品に贈る賞。今年は初めて、15名のマンガ編集者の皆さんに選考委員をお願いしました。2024年7月~25年8月に単行本の新刊が発売された(ただし、合計5巻以内)、もしくは、雑誌などに最新話が発表された作品から選出されます(※選考委員の担当作は推薦不可、現在所属する出版社が発行する媒体の掲載作品は1作まで推薦可)。その他、マンガ好きの著名人の方々が選ぶ「個人賞」もあります。

Column

「CREA夜ふかしマンガ大賞2025」選考委員アンケート

2025.10.17(金)