この記事の連載

「さや香・石井さんがレオタードで…」企画の着眼点

――最初に自分で企画を出して通った番組はどんなものでしたか?

 2021年の秋に「ちょいバラ」という枠でやらせてもらった、『イケメン乙~イケメン今日もおつかれさまです~』です。蛙亭のイワクラさんと紅しょうが・熊元プロレスさんとエルフの荒川さんに出てもらった15分番組なんですけど、めっちゃ変な番組やったんで、説明が難しいんですよね……。

――Wikipediaには「顔は良いけど中身に難ありの「おつかれイケメン」を観察するイケメン観察バラエティ。蛙亭中野率いる「私立イケメン学園」のロケVTRをスタジオから観察する。勝負服チェックや筋トレ映像を女性芸人たちは視聴するが、その女性芸人たちを視聴するもう一人の人物がOA映像に映りこんでおり、本来の番組趣旨と異なる物語が動いている」とありますね。これはたしかに、だいぶ難解な……。

 そうなんです。私はイワクラさんが大好きなので「イワクラさんがイケメンを観て腐す番組がやりたい」と思って、企画書の段階ではシンプルに「イケメン観察バラエティ」と書いていたんですよ。でもいざ企画が通って先輩や後輩、作家さんたちと練っていたら、全員が楽しくなってどんどん悪ふざけのようになってしまいました(笑)。

――若手が作る深夜番組らしくて良いですね。企画を出すチャンスは比較的多いのでしょうか。

 定期的にあるわけじゃなくて、枠があれば募集がかかる感じです。そういうときは必ず出してますね。私は同世代の中ではわりと数をやらせてもらったほうやと思います。「ちょいバラ」でこれまで4回やらせてもらっているので。

――企画を考えるのがお好きなんですね。

 多分、好きなほうやと思います。高校生の頃、ラジオによく投稿していたんですね。芸人さんのラジオで活躍する“職人”さんには全然及ばないですが、自分の考えたものが読まれるとすごく嬉しくて、企画書を書いて出すのもその感覚の延長のような気がします。

――考えるときのポイントはどんなところですか?

 なんやろう、難しいな……。たとえば、以前にさや香の石井さんと『石井ダンサーズのパーフェクトワールド』って番組をやったんですね。これは最初、「石井さんがレオタードみたいな格好でクイズの司会をやってたら面白そうやな」ってところから思いつきました。そういう「なんか面白そうやな」は大事にしてるかもしれません。そういうことをずっと言っていたいというか。

 企画書の冒頭に「これはどんな番組なのか」を書くときに、2~3行だけで「なんか面白そうやな」と思えるものを考えて、それを映像にできたらいいな、と思ってます。

2025.09.14(日)
文=斎藤 岬