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オーディションは、楽しみながら乗り越えた

――2018年に日韓同時放送された大型オーディション番組「PRODUCE 48」に参加。韓国に渡り、日韓の文化やパフォーマンスの実力の違いを乗り越えるため、厳しいトレーニングとミッション形式のバトルを繰り返しました。そんな過酷な環境を乗り越えることができた理由は?

 実は、あの期間はすごく楽しくて、まったく大変だと思わなかったんです。韓国という異国の地で、何かをすることって、普通なら不安になると思うのですが、好奇心旺盛な私はそんなことまったくなくて、「確かに言葉は喋れないけど、ダンスと歌をもっと本格的に学びたい!」という気持ちの方が大きかったんです。

 正直な話、HKT48にいたときの悩みのひとつに、「もっとダンスや歌を頑張って、そこから私のファンになる人が増えてほしい」というものがあったんです。だから、「PRODUCE 48」は私が求めていたオーディションだったし、頑張ることができた理由は、心から楽しみながらやっていたからだと思います。

――プライベートもさらけ出すようなオーディション番組ならではの特色に戸惑うことは?

 24時間、カメラが回っているということは、かなり衝撃的ではありました。でも、とにかくみんなと一緒にいられることが楽しかったし、HKT48時代は、あえて見せなかった努力のようなものを少しでも見てもらえることは嬉しかったです。

 ファン投票でシングルの楽曲を歌うメンバーを選ぶAKBグループの「選抜総選挙」も経験しましたが、その時からダンスや歌をしっかり評価されることがめちゃくちゃ好きでした。なので、評価軸は異なりますが、ミッションやサバイバルバトル的なものもすごく楽しめました。

 小さい頃、バレエを習っていたときも、前の週の出来によって、次の週の立ち位置が決まっていて、それによって悔しい思いをしたり、「よし!」って気合いが入っていましたから。自分の努力でいい結果を出せるのって、素敵なことだと思えるんです。

2025.09.16(火)
文=くれい響
写真=平松市聖
スタイリング=松尾正美
ヘア&メイク=舩戸美咲