
現在開催中の「大阪・関西万博」で、8月27日(水)~30日(土)の4日間、「発酵」をテーマにした特別ブースが開設される、千葉県。しょうゆやみりんの生産量日本一を誇る千葉県は、ほかにも酒造りや乳製品など、各地域で発酵文化が根づく“発酵県”です。その魅力を国内外へ発信する場として、夢洲のEXPOメッセ「WASSE」に登場します。
今回は、千葉県内の中でも、ひときわ発酵文化が根づく香取市の佐原エリアにスポットをあてました。まずは、古い商家や蔵を保存・改修した分散型ホテル「佐原商家町ホテル NIPPONIA」を紹介します。
伊能忠敬を生んだ、千葉・佐原

川沿いにゆったりと時が流れるまち、千葉・佐原。かつては“江戸まさり”と呼ばれるほど、江戸時代から商業で栄えたこの地は、いまもなお、情緒あふれる町並みと発酵食文化の香りを残しています。
佐原は、日本地図を完成させた偉人・伊能忠敬ゆかりの地としても知られています。川沿いの一角には、伊能家の当主の住居であった本宅が保存され、若き日の忠敬が商人として暮らし、天文学や測量の知識を深めた姿を想像させてくれます。彼が足で歩き、日本全国を測量した壮大な旅の原点は、この静かな水郷のまち・佐原にありました。

そんな佐原の風景に溶け込むように建つのが、「佐原商家町ホテル NIPPONIA」。古い商家や蔵を保存・改修した分散型ホテルで、まるでタイムスリップし、歴史の中に身を置くような滞在が叶います。
今回は、明治時代の蔵を改装した「SEIGAKU棟301号室」に宿泊。併設レストラン「ルアン」では、千葉県が誇る発酵文化をフレンチで堪能しました。五感で味わう、佐原の魅力を紹介します。

まちそのものが、宿になる

「佐原商家町ホテル NIPPONIA」は、“まちに泊まる”というコンセプトの分散型ホテル。市内に点在する歴史的建造物を趣そのままに改修し、宿泊棟ごとに、お部屋が離れています。ゲストはまち歩きをしながらチェックインや食事へ向かい、旅そのものがまちの暮らしと融合します。
館内には、梁や土壁、格子窓など江戸から続く建築意匠が息づき、空間全体が静けさに包まれています。一方で、ベッドや浴室は最新仕様で快適。スタッフはまちの歴史やおすすめ散策ルートを丁寧に案内してくれ、滞在はそのまま“佐原を暮らす旅”になります。
2025.08.28(木)
文・写真=CREA編集部