写真と合わせてストーリーも楽しんで欲しい

――俳優としての新たな魅力が凝縮されている『しおどき』ですが、どのように撮影に臨んだのでしょうか。
脚本家の生方美久さんに、ストーリープロットを書いていただいたうえでの撮影ということもあって、すでに頭の中でストーリーは把握していました。3つのストーリーの主人公女性の感情をストーリーに合わせて演じていった感覚ではあったのですが、カメラマンの濱田英明さんが、ピンときた瞬間にシャッターを切られていたと思うので、撮影中は自分がどんな表情をしているのか全然想像つかなかったというのが正直な感想です。
――出来上がった写真集を見て、いかがでしたか。
仕上がりはもちろん大満足! 自分にこんな一面もあるんだという発見がありました。もう少し若かったら説得力がなかったかもしれません。どれも自分と同世代の女性のストーリーなんですけど、いまの年齢だからこそできたのかなと思っています。正直、撮影を終えてからのほうが、とても光栄なことだと噛みしめているんです。
手に取ってくださる方々には、それぞれのエピソードに完全に当てはまるわけでなくとも、「武装のためのハイブランド」「棚には賞味期限ぎりぎりのパン」といったフレーズなど、部分的に共感してもらえるシーンもたくさんあると思うので、ストーリーと合わせて楽しんでもらえたら嬉しいですね。
2025.08.27(水)
文=大嶋律子(Giraffe)
写真=橋本 篤
スタイリング=内田理菜
ヘアメイク=竹内春華