この記事の連載

 アイドルグループ「ももいろクローバーZ」としての活動に加え、近年は俳優としても注目を集めている玉井詩織さん。自身初となる写真集『たまゆら』『しおどき』を8月27日に2作同時リリースします。

 明るく天真爛漫なイメージと一線を画すストーリー写真集『しおどき』では、俳優としての玉井さんの表現力がたっぷり発揮されています。その撮影秘話や、芸能活動20周年を振り返って思うこと、そして30代になって玉井さんが大切にしていることを伺いました。

» インタビュー前篇から読む


長い髪をバッサリ切る、それが私の決意表明だったのかも

――芸能活動20周年というキャリアのなかで、仕事への向き合い方に変化はありましたか?

 実は、もうすぐ事務所の契約が切れるといったタイミングで、ももクロの活動をスタートしたんです。私自身、もともと芸能界に憧れていたわけではなく、契約終了とともに普通の中学校生活に戻るんだと漠然と思っていました。なので、芸能活動においての最初のターニングポイントといえば、本格的にグループ活動を始めたとき。

 それからメンバーが6人から5人になったときも、仕事への意欲が変わるターニングポイントだったかなと思います。当初は「みんなの妹」というキャッチフレーズで、泣き虫で甘えん坊、そしてツインテールがトレードマークだったんですよ。かねてから「髪を切りたい」という願望があったので、そのタイミングでバッサリと長い髪をカットしたんです。それがファンの方には決意表明のように見えたかもしれないのですが、自分の中でも仕事へのスイッチが入りました。

 MCを担当したり、とてもしっかりしていた子の脱退だったので、「その穴を埋めなきゃ」「自分ももっと頑張らなきゃ」「甘えちゃいられない」って、髪を切ったことで気合いを入れ直しました。

――ストーリー写真集『しおどき』では、「ハイスペ女子のラブストーリー」「下北沢で自由に生きるフリーター」「自宅で過ごすOLの日曜日」と身近なできごとを題材にした3つの物語で、異なるキャラクターを演じ分けています。その中にも髪をカットするシーンがありましたね。

 そうなんです。自分とはまったく違う人生ではあるのですが、この下北沢のフリーター女子が長い髪を切るシーンは、撮影しながら当時の感情を思い出しちゃって。女性として何かを決心するというか、自分の人生と重ね合わせる部分はありました。今回はウィッグでのカットですが、個人的にぐっときたシーンです。

2025.08.27(水)
文=大嶋律子(Giraffe)
写真=橋本 篤
スタイリング=内田理菜
ヘアメイク=竹内春華