
和歌山県白浜町にあるアドベンチャーワールドで生まれたジャイアントパンダの母娘4頭が6月28日(土)に中国へ渡って1カ月が経ちました。4頭は、四川省にある「成都ジャイアントパンダ繁育研究基地」(以下、成都基地)で暮らしています。成都基地は、307ヘクタール(東京ドーム65個分)という非常に広い敷地で、200頭以上のパンダを飼育しています。
成都基地の公式プラットフォームによると、7月27日(日)時点では、アドベンチャーワールドで生まれた6頭が基地内の公開エリアで暮らしているため、合わせて10頭が成都基地に集まっていることになります(以下、特に記載がなければ、成都基地でのパンダの配置は7月27日(日)時点の同基地の公式プラットフォームに基づきます。なお、公式プラットフォーム上で公開エリアのパンダ舎にいることになっていても、公開されるとは限りません)。
アドベンチャーワールドでは、これまでに17頭のパンダが生まれ育ちました。17頭とオスの永明(えいめい)の計18頭を成都基地に送り出しており、その回数は下記の通り8回に上ります。
2004年6月に雄浜(ゆうひん)
2007年10月に隆浜(りゅうひん)・秋浜(しゅうひん)
2010年3月に幸浜(こうひん)
2012年12月に愛浜(あいひん)・明浜(めいひん)
2013年2月に梅浜(めいひん)・永浜(えいひん)
2017年6月に海浜(かいひん)・陽浜(ようひん)・優浜(ゆうひん)
2023年2月に永明(えいめい)・桜浜(おうひん)・桃浜(とうひん)
2025年6月に良浜(らうひん)・結浜(ゆいひん)・彩浜(さいひん)・楓浜(ふうひん)
※本稿では、永明とアドベンチャーワールドで生まれたパンダの名前は、日本語での読み方を記しています。



隔離エリアで検疫
成都基地は、良浜、結浜、彩浜、楓浜が非公開の隔離エリアで過ごす様子を映した短い動画を7月10日(木)、7月17日(木)、7月24日(木)、8月1日(金)に公開。タイトルは「“良浜”一家 隔離日誌」です(8月7日(木)時点)。
昨年10月にアメリカのアトランタ動物園から来た親子4頭の動画は、「“倫倫”“洋洋”一家 隔離生活記録」が5回、「“倫倫”“洋洋”一家 生活記録」が11回公開されたので、「“良浜”一家」の動画公開もしばらく続くかもしれません。このアトランタから来た4頭は、1999年11月に中国からアトランタへ渡った倫倫(ルンルン)と洋洋(ヤンヤン)、その子どもでアトランタ生まれの双子の雅倫(ヤールン)と喜倫(シールン)です。
中国国外から中国に来たパンダは、隔離エリアで通常30日間の検疫を受けることになっています。検疫の主な目的は、パンダが病気や感染症を中国に持ち帰り、他のパンダに感染させるのを防ぐこと。検疫期間が30日間を超える場合や、検疫後も非公開の経過観察期間を設ける場合もあります。

2025.08.09(土)
文・撮影=中川美帆