転校早々……

──素敵なエピソードですね。第1話は制服がテーマでしたが、堀田さんの出身校も制服はありましたか?

 高校1年生まで通っていた滋賀県の高校は、ブレザーにネクタイという制服でした。高校2年生で芸能コースのある東京の高校に転校してからも制服はありましたが、シャツの色やネクタイを自分で選ぶことができ、同じ制服の生徒がほとんどいない、という自由度の高さが、すごく新鮮に感じました。

──自由な制服が校風を象徴しているようですね。

 制服は自由なのですが、実は細かい校則もたくさんありました。たとえば髪の毛の色は黒と厳格に決められていて、芸能コースの生徒が役柄で髪を染める場合は、黒髪のウィッグを着用しなければいけないという規則があって。

 私はデビュー作が茶髪の役だったので、頭髪検査の際にウィッグを着用するように言われたのですが、滋賀から東京に引っ越してきただけでもドキドキしているのに、転校早々カツラで登校しなくてはいけないという状況が本当に嫌で……。マネージャーさんから学校に相談してもらいましたが「校則は校則」ということで、例外は認められませんでした(笑)。

──では、転校早々ウィッグで登校を?

 そうですね。今でこそおしゃれなウィッグがたくさんありますが、当時はウィッグというより“カツラ”という感じでした。それもただ着用するだけでなく、カツラを着用していることがわかるバッジもつけなければならない決まりもあって……。転校したばかりで友達がまだひとりもいない中、カツラにバッジというスタイルはすごくつらかった記憶があります。

──それは大変でしたね……。ドラマの舞台となっている「濱ソラリス高校」は、男子校と女子校が合併したばかりの高校ですが、堀田さんが通っていた高校は共学でしたよね。女子校への憧れなどはありましたか?

 滋賀県で通っていた高校は男女比が半々くらいだったのですが、転校してきた東京の高校はクラスに男子が数人しかいなかったので、ほとんど女子校のような雰囲気でした。もともと女子校への憧れというのはとくにありませんでしたが、結果的に女子校のような環境で過ごせて楽しかったです。

 アイドルや女優を目指している子も多く、よくテレビで見かけるような人が同じ教室にいるというのは、不思議な感覚でした。

2025.08.05(火)
文=相澤洋美
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=中山友恵
スタイリスト=斉藤くみ