60代半ば白髪なし。髪がふさふさの開発者って誰?

1・2 健康な頭皮と毛髪を育む2種の薬用育毛料。優は頭皮のストレスを癒す。爽は年齢を感じる頭皮のための積極的な攻めのケア。uruotte ハーバルエッセンス優・爽 各140ml 各5,800円/クィーン

3 アデノシンがすみやかに毛乳頭に作用。抜け毛を予防し、新毛の発生を促す。薬用アデノゲン グレイシィ [医薬部外品] 150ml 6,500円(編集部調べ)/資生堂

4 発毛シグナルを増幅する6-BAPなど4つの有効成分を配合。抜けにくい髪を育てる。スカルプD ボーテ スカルプエッセンス [医薬部外品] 120ml 4,000円/アンファー

5 色素幹細胞、毛包幹細胞にアプローチし、豊かな黒髪へ。インフィニティ 黒髪育毛エッセンス [医薬部外品] 150ml 5,000円/コーセー

 とても身近な人類最大の難問と言えるのが、抜け毛と白髪……。CREA世代にはまだ先の話だろうが、少なくとも白髪は意外なほど早く現れるうえに、1本2本だけの白髪は思い切り目立って、いきなり年齢を感じさせてしまうし、一度に3本以上の白髪が見えると、人は一気に“清潔感”を失うことになる。

 不思議なことにこれが白髪の割合の方が多くなりグレーになる頃から、逆に人はどんどん清潔感と気品を増やしていく。だからむしろ今からが、白髪にいちばん悩む時。まだ染めるほどじゃない、だからよけいに厄介。しかも困ったことに、“白髪の原因”はずっと不明とされてきた。だから明快な解決法はなく、ヒジキやノリをたくさん食べるくらいしか手段がなかったのだ。

 一方の抜け毛は、尚さら“永遠の未解決”とされてきた。ところが、本当にみるみる髪が生えてくる大正製薬のリアップがデビューし、事情は明らかに変わった。“日本で唯一の発毛剤”と言い切っているように、年齢による脱毛を食い止めるばかりか、新たな髪を生む独自の効果で話題をさらった。これは毛包に直接働きかける有効成分ミノキシジルを配合したもので、女性用も登場したが、この一品をきっかけに化粧品メーカーが、うちもうちもと育毛剤を発表。これらも確かに“効く”と評判なのだ。

 まずこの分野におけるロングセラーとして信頼を得ているのが、資生堂のアデノゲン グレイシィ。これも“男性用”で成功して、女性用が発表され、“生える”と評判。これは新しい髪が生えてくるまでの休止毛の休止期を短くするのがテーマ。出産などで毛が抜けるように、女の抜け毛は男の抜け毛より原因が複雑で、じつはストレスも大きい。だから決定打であるミノキシジル以外にも、いろんな解決策が生まれてくるのだ。

 さらに男性用育毛剤スカルプDを大ヒットさせたアンファーからも女性用がついにデビュー。女性ホルモンの低下によって減少する発毛因子“BMP”に働きかけるという、独自の方法を確立して注目を集めている。

 そして自らが脱毛する家系であることから、自分の手で育毛剤を作りたいと化粧品業界に入ったビューティサイエンティストの岡部美代治氏の、長年の歳月をかけた育毛剤がuruotteから登場。何しろ岡部氏自身が60代半ばにして髪はフサフサ。白髪がまったくない、信じられない若髪。そのまま効果の証だ。やはり休止毛に働きかけるアプローチで、目覚ましい血行促進作用を持つが、老化による脱毛用と、出産や心の悩みなどのストレスによる脱毛用の2種類があるのも嬉しい。白髪に効くと早くもファンが。

 一方、コーセーが発表した黒髪育毛エッセンスは、休止毛への働きかけに加え、じつは色素幹細胞のDNAが傷つくことで白髪ができる事実を、自ら解明した最先端モノ。ハリコシが見事に戻るのも、美にこだわるコスメブランドの面目躍如。白髪を3本見つけたら、始めよう!!

齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。

Column

齋藤 薫 “風の時代”の美容学

美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。

2014.06.02(月)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫

CREA 2014年6月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

100の“おいしい”こと

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