キム・ジウォン演じるホン・へインのスタイリングに課せられた、ある条件

――切なく、そして厳しい現実に立ち向かう物語の中で、視聴者に楽しみを与えたのは、ヘインのファッションショーのような華やかな衣装でした。
キム・ジウォンさんのスタイリングは、「ヘインが身に着ける衣装やアクセサリーは無条件に最高級であること」が条件でした。そのために韓国随一のスタイリストを起用し、作品のコンセプトを十分に理解してもらったうえで、衣装を準備していただきました。
――ドイツで撮影されたシーンも注目を集めたのではないかと思います。特にヒョヌとヘインが新婚旅行でドイツを訪れるシーンは、何度も見返すほど美しく素敵な場面でした。「サンスーシ宮殿」「アイゼルナー橋」「ベルリン大聖堂」「タオアシスガルテン(ラベンダー畑)」をロケ地に選んだ理由を教えてください。
ドイツの各場所は二人の思い出の場所であり、強い愛の痕跡が残っている空間でもあります。ですから、劇中のどのロケ地よりもロマンチックな雰囲気と切なさが感じられる場所でなければなりませんでした。
ドイツには数多くの美しい場所がありましたが、ロケハンや打ち合わせを何度も重ねた結果、ドイツの特色がよく出ていて、クラシカルでロマンチックな雰囲気が感じられる場所を選んでいます。

――最終回のエンドクレジットの最後には「隣にいる大切な人を思い出し、もう一度愛せる時間になることを願って......」というメッセージが添えられました。(注:日本版Netflixでは表示されていません)作品に込めた想いを教えてください。
『涙の女王』という作品を通して、疎かになってしまった愛、特に夫婦間、家族間の愛を、作品をご覧になる方々と一緒に考え直し、初心を取り戻すきっかけになればと思い制作してきました。
実際に作品をご覧になった方が、どんな逆境の中でも、家族や大切な人への想いを失わず、もう一度、愛について考えるきっかけになるような作品でありたいと思っています。
――昨年末には、『涙の女王』が「2024 tvN視聴者が選ぶベスト番組」に選ばれました。
初回放送後も視聴率をもっと引き上げなければならないと思い、たくさん悩みながら作り上げた作品です。そのような作品がこうした結果につながり、今まで努力した成果が光り輝いたようで、これ以上ないほど嬉しかったです。
何よりも、息子たちが私のことをとても誇りに思ってくれており、仕事が忙しく寂しい思いをさせてしまった彼らへのねぎらいにもなったので、感慨深いものがありました。
――最後に、『涙の女王』を愛する皆さんにメッセージをお願いします。
皆さんからいただいた愛のおかげで、記憶に残る感動的なドラマが誕生したと思います。 ぜひ、これからもヒョヌとヘインをたくさん愛してください。
そして、俳優としてそれぞれの道を歩んでいるキム・スヒョンさんとキム・ジウォンさんにも、たくさんの応援と愛をお願いします。これからも感動と笑いをお届けできる良い作品を作っていきますので、楽しみにしていてください。
続きは「CREA」2025年春号でお読みいただけます。

2025.03.07(金)
文=CREA編集部
CREA 2025年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。