好評発売中の「CREA」2025年春号では、韓国の伝統を再解釈し、モダンにアップデートした食や韓屋宿をはじめ、癒しの「済州島」やカルチャーの街「坡州」まで、2025年の韓国をたっぷりと取材しました。グルメ・カルチャー・ファッション・コスメまで、全108ページの大ボリュームでお届けする本誌から一部を抜粋してご紹介。

CREA 2025年春号

『韓国のすべてが知りたくて。』

定価980円


 新しいトレンドが生まれては消え、常に目まぐるしい進化の中にある韓国。

 しかしいま、自国の伝統や文化を再評価しようという人々が現れはじめ、韓国がまた新しい表情を見せています。さあ、韓国工芸の美しい世界へ。


ミニマルな線と形が織りなす多彩な白の世界へ

◆【西村】日常餘百(イルサンヨベッ/일상여백)

 店内に足を踏み入れた途端、ミニマルで有機的な線と形が織りなす、多彩な白の世界に包まれる。

「日常・余白美・百年・百品の意味を込めて“日常餘百”と名付けました」

 こう語るのは、大学で陶芸を学んだ後アメリカに渡り、子育ての傍ら韓国工芸の蒐集を始めたというハン・シニョンさん。

「こちらは伝統の高台皿をモチーフにした器ですが、実は上と下に分かれて、2つのお皿としても使えます。こんな風に伝統を再解釈して、現代の生活に馴染むように工夫された作品が好きです」

 戦争や侵略の影響もあり、民藝に関する記録は決して多くないという。しかしいま、その少ない資料を辿って、伝統的な暮らしに関心を寄せる若手作家が増えているのだとか。

「音楽や文学が世界に羽ばたいている。次はKクラフトの番ですね」

日常餘百(イルサンヨベッ/일상여백)

所在地 ソウル特別市鍾路区紫霞門路17ギル12-15(서울특별시 종로구 자하문로 17길 12-15)
電話番号 02-743-7001
営業時間 10:00~18:00
定休日 月曜
Instagram @ilsangyeoback

2025.05.08(木)
文=CREA編集部
写真=岡本佳樹
コーディネート=ソ・スミン、ソン・シネ(TANO INTERNATIONAL)

CREA 2025年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

韓国のすべてが知りたくて。

CREA 2025年春号

韓国のすべてが知りたくて。

定価980円